短編集 -3-dimensional-

□Hypnotism
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「今日は収録が最後になります」



「はーい」



白石のスケジュール管理を任されている名は収録前に白石の今後の予定を伝えると、鏡の前に座っている白石はメイクをチェックしながら頷く。



「あ、3日後には雑誌の表紙の撮影があります。あまり大きなリアクションをとって床に座り込んだりすると痣になる可能性があるのでやめて下さいね」



「はいはーい、って私がいっつもリアクション大きいみたいじゃない!?」




「桜井さん、よろしくお願いします」



流し聞いていた白石が我に返ったように名へと反論してくるが目を細めながら隣にいるキャプテンに話しかけた。



「あ、はい。いつも迷惑かけてすいません」




「えー!大きいかな!?真夏よりマシじゃない!?」




桜井が苦笑しながら名の苦労を労わると目を丸くした白石は秋元を指差す。




「いやいや、まいやんも相当だよ?」




「納得できない!皆にも聞いてくる!」




冷静な対応をする秋元に白石は首を傾げながら席を立ってメンバーがいる方へ歩き出すので秋元は名に頭を下げた。




「すいません」




「いえ、これだけ売れていれば自分は必死な後輩を笑うだけの役になっても良いはずですが、それを一期がしないから乃木坂は強いんでしょうね」





桜井と秋元は柔らかな笑顔を見せる名から目を反らせなくなり、改めて側に居られる白石を羨ましいと感じた。





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