欅の宿り木
□欅の宿り木 番外 6
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新学期になり、名も三年生となった。
いよいよ、最終学年にもなり任される役割も増えるが、進路の事など考える案件も多種に渡る。
休日に家に居ても気が晴れないので散歩することに決めたが、結局は色々と考え込んで溜息をつきながら歩いていると目の前に外国人が立ち止まった。
「excuse me?(あの、ちょっといいですか?)」
ロシアンハーフというものなのか、雪のように白い肌に幻想的なアクアブルーの瞳、太陽に照らされ、美しく金色に輝く髪の美少女。
名は何の用か疑って情報を無意識に集めてしまう。
「sorry I can not speak english(すいません、私は英語を話す事ができません)」
少女は持っている鞄から名の学園のパンフレットを手にとって出そうとしているのが見えた。
ここは通学路。
学園の関係者、見た目的には新入生。
『関わらない』
という結論に至り、名は軽く手を挙げて立ち去る事を決めた。