欅の宿り木

□欅の宿り木
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アイドルってのも、笑顔振りまいていりゃ良いわけじゃないらしい。



グループでも、センターになる為に必死に努力して勝ち取る。



センターになれば、次はアイドルグループの顔となり責任を背負って立ち続ける。



「…」



「……」



必死になって、歌って踊ってボロボロになった小さな身体の少女は遂に倒れて療養する事になった。



プロデューサーや事務所は医療機関でのサポートを受けるように促したが、友梨奈は拒んで名の実家へ来た。



友梨奈の自宅や関係する場所にはマスコミが張り付いていて、気が休まらないとの理由だった。



友梨奈が幼い頃から家族ぐるみで付き合いのある名の母親は全力で協力すると息巻いており、名も夏休みで特に負担ではなく深く考えていなかったので承諾し今に至る。



「…あのさ…」



「なに?」




久しぶりに友梨奈と一緒に食卓を囲み、自室に戻ろうとするとそのまま着いてきた。



雑誌を読んだり、アルバムを眺めたりしながら過ごしているので特に声を掛けずに机に向かって勉強でも始めようかと思った矢先に小さく呟いてくるので目線を移す。
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