即席小噺-reloaded-

□欅の宿り木 Rêver Étoile
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どうしてここに来たかも分からないが、ビルが立ち並ぶ街を名前は歩いている。




ビル街特有の強風が吹き荒れ、思わず目を閉じた瞬間に女子校の制服らしき丈の短いスカートを履いた友梨奈が現れた。




『友梨奈?それ、なにかの撮影の衣装か?』




「ん?なに言ってんの?ねるを超電磁砲で吹き飛ばして決着をつけるんだからどいて」




名前が思い付いた現実的な考えを話す間に、友梨奈は電撃を身体に纏わせて名前の背後に居る人間を睨む。





『ねるさんと…決着?』





「てち!ぶち殺してやるけん、覚悟してね?」




振り返ると紫色のワンピース姿のねるが見えたが、緑色の光の一閃が横に通り過ぎるとビルが豆腐のように切れて崩れ落ちてくる。





『おいおいおい!』




「どうしたの?」





友梨奈が放った雷撃で名前の頭上に瓦礫が落ちてくる事はなかったが、二人を止める術はないのかと距離を取った瞬間に背中へ誰かがぶつかる。





『菅井さん!2人が変です!服装も…なんか色々!』





菅井は扇子を片手に持っている以外は普段通りの服装であったので、名前は必死に2人の状況を説明する。




「では!菅井財閥のわたくしが止めてみせますわ!」





『菅井さんも!?』





菅井が扇子を広げると、近くに落ちていた瓦礫の山が砲撃のように2人へ飛んでいき、新たな敵の乱入に街の被害は拡大の一途を見せた。




「先輩?大丈夫ですか?」





『月島…は…大丈夫なのか?俺と同じ学園の制服だしな』





「はい?」




どうすれば良いのか分からないが、この巻き込まれた後輩だけは先輩として救おうと決意した名前は月島の肩に手を置く。





『そか、とりあえず、あの市街地を破壊してる連中から離れよう』





「そういう訳にはいきません…この腕章があるかぎり」





名前が先を促そうとすると月島は動く事なく腕に付いている腕章を見せる。




『腕章…?風紀…まさか』






「ジャッジメントですn」『いい加減にしろぉ!!!』







名前が放つ全力の叫びと共に意識は光に包まれていった。





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