↑欅の宿り木 Chapitre final↓

□欅の宿り木 最終章 6
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「なぁ、名前くんさ」



「だー!わ〜!」



「うるさっ…なによ!?麻衣、人の耳元で大声出さんでくれるかな!」



「そうだ!名前君って欅坂のダンスとか踊れるの?」




「あぁ…はい、少しは」



夕陽が校舎を染め始め、名前は友梨奈達と談笑しながらダンス部のステージ開催時間まで体育館の裏手で待っていると澪が車椅子に乗り月島が押してやってくる。



「なに?そこまで再現するの?」



少し前に同じような状況であった友梨奈は笑みを浮かべるが澪は俯いて表情を変えず、押している月島も首を横に振る。



「え……どうしたの!?」




友梨奈が状態把握する為に駆け寄って質問すると澪の代わりに月島が子どもの風船を取るために足を捻ったと説明した。




「友梨奈…あの…ね?お願いがあるの…」



「うん…分かった…」





泣き出しそうな澪に先を言わなくても良いと頭を撫でた友梨奈は静かに立ち上がる。
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