↑欅の宿り木 Chapitre final↓
□欅の宿り木 最終章 2
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「ねぇ、美穂!…あれ?名前くん、美穂知らない?」
「え?あ、菅井さんも居ない…」
「はぐれた…?」
色々な出店を見ている中で美穂が居なくなった事に気付いた菜緒は名前に声を掛けて周りを見渡した名前は菅井も居ない事に気づく。
「…はぁ…ごめん…菜緒、俺と2人きりとか気まずいよな?」
「え?なにが?」
苦笑を浮かべながら自身の後ろ髪を触る名前に菜緒は首を傾げた。
「え?」
「名前くんと居ても疲れないよ?」
「そう言ってもらえると助かる」
2人の思いに相違を感じた菜緒は名前に正直な気持ちを伝えると気を遣われたと感じた様子の返事が返ってきたので、菜緒は一歩近寄る。
「もぉ…本心だから…よし、じゃあ2人で楽しもう!」
「美穂さん達は!?」
「私達より歳上なんだから大丈夫!」
突然、手を取られて歩き出す事になった名前は菜緒に焦りながら状況を伝えるが菜緒は即答で返して歩みを止める事はなかった。