短編集 -3-dimensional-
□je suis aimee Trois
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「だぁ〜!つーかーれーたー」
「お疲れ〜」
「あー、名さ〜ん!つーかーれーたー」
まあやと眞衣が握手会の終わった会場の机で突っ伏しているので名が話し掛けると2人は手を伸ばしてくる。
「なんだ?」
「「握手」」
「今、それで疲れてたんじゃないのか?」
苦笑しながらも手を出してくれる名に、2人は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「これで癒されるんだってば」
「ほんとそれ」
「ん、お疲れ様。いつもありがとな」
名は掌をズボンで拭いてから2人の手を片手づつで握る。
「「えっ?」」
「まあやも眞衣も明るい笑顔で皆を盛り上げてくれてるから。本当、感謝してる」
「……あー…名さんの握手券っていくら?」
「私、10万でも買う…」
握手会でネガティブな言葉を投げかけられ、精神的に疲れた時に真っ直ぐな瞳でポツリと呟かれた一言に2人は顔を見合わせて笑う。