欅の宿り木

□欅の宿り木 番外7
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「武道館のライブ、楽しみにしてたんだろ?」





「うん」




「気にしなくても、それなりに時間を潰すものは持ってきてる」




「名って、意外と真面目だよね」




「意外ってなんだ、意外って」




名はノートを軽く見せると友梨奈は小さく笑って普段の言動と芯の部分の勤勉さにギャップがある事を伝える。




「気持ち、貸してくれる?」




「気持ちが入っていかないわけじゃないだろ」




周囲を見渡して誰も居ない事を確認した友梨奈は両腕を広げ、名に確認する前に抱きしめてくる。




やれやれといった様子の名も友梨奈を抱きしめ返すと、友梨奈からの力が強くなる。




「……ん……落ち着く…」




「これで、最後な」




「さい…ご…?」




安心した声を出した友梨奈だったが名の一言に不安げな瞳で顔を見上げる。




「何度も抱きしめるわけにはいかないだろ?」




「ん〜…じゃあ、長めで。強くして?」




「お前も…いや、なんでもない」




名が近くに居ない時、メンバーの前で見せていた凛とした姿と甘えながらギュッと抱きしめてくる友梨奈も自分と変わりないと伝えようと思ったが強がりそうなのでやめた。






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