欅の宿り木

□欅の宿り木 番外 13 東京ドーム編
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「ん〜なんていうか、ここでの生活も慣れてきたな」




リハや楽屋で友梨奈が過ごしている合間の時間は菅井も同じように過ごしているので、誰とも話さない時間が長く、時が経つのが遅く感じたが今は小林、鈴本、茜や理佐、梨花が構ってくれる事が多くなって瞬く間に時間が過ぎていく。




そんな事を感じながら、珍しく一人でストレッチをしていると目の前に子どもが来る。




「なぁ、凄いダンスしてたお兄さんやんな?」




「へ?」




「私達にも見せてくれませんか?」




一人は明らかに自分より年下の空気感があり、一人は身長が小学生並みの子どもだったので名はスタッフの家族かと思って目が丸くなる。




「ごめん、俺、ダンサーとかじゃないよ?」





「え…TAKAHIRO先生は欅坂を創生したようなダンサーだって言ってたで?」




「TAKAHIRO先生って…誰?」




子どもに対して普通のテンションで断ると、3人の間の空気が固まって沈黙が支配する。
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