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□幸せはあなたがくれた
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ちょっとした意地悪のつもりだったのだ。
キスしたらすぐ赤くなるし、可愛いって言ったら照れて目も合わせられなくなるし。
恥ずかしくて真っ赤に染まったジヒョの顔が大好きだった。
だから、その顔が見たかっただけなのに。
「ジヒョ、私の舐めてよ。」
部屋で二人きり、行為の最中に私はニヤニヤしながら言った。
何言ってんの!!って怒られても良かった。戸惑う様子を楽しむのもいいと思った。
どんな反応を返してくれるのか、心を躍らせてジヒョを見る。
でも、ジヒョは何のためらいもなく私のそこに唇を吸い付けた。
「…っ!!!」
先を軽く噛まれるように口の中に含まれた。薄い舌がちろちろと動いて刺激する。
「ちょっ…!!」
ジヒョの小さい口は男性のそれより小振りなα女性のものでもいっぱいになってしまう。
優しく舌が上下に細かく動いてそれを舐める。
開いた口からは唾液の水音が漏れ、それが一層背徳感を募らせた。
初めての強過ぎる快感。
制止しようにも声が出ない。
ジヒョの手は根元に添えられ、その手もさするように動いている。
優しすぎず強過ぎない何とも言えない刺激は身体を煽り、よりそこはそそり立っていく。
視界に揺らぐ赤い舌が何度も何度もそこを這う。
「ジヒョ!!だめ…!!まって…!!まっ…ぁっ…んんんっ!!」
あっという間に上り詰めてしまった。
頭が真っ白になって、溜まっていたものが一気に吐き出される。
「んっ…うっ…。」
イく直前に抜いてあげるなんて器用なことできるはずもなく、そこを咥えていたジヒョ口の中に出してしまった。
苦しそうにえずくジヒョ。
「あ…ご、めん、ジヒョ…。」
ジヒョが顔を上げて私を見る。
そして、何気ない顔でこく、とそれを飲み込んだ。
喉がゆっくりと動くのが見えて呆然とする。
「あんた、こういうことするの初めてじゃないの…?」
顔を蒼白にしてそう問う私に、ジヒョは少し寂しげな顔で笑う。
「…うん。教育係のαのオンニに教えられた。Ωをそういう目的で引き取る人もいるから…。」
何でもない風にそうジヒョが言うから余計辛くなってしまう。
「私は!!私は、あんたがそんなことできなくてもいい!!あんたは私にそんなことしなくていい!!そんなことしなくても私は…!!」
「オンニ、分かってる。」
叫ぶように訴える私をジヒョの身体が優しく包み込んだ。
「分かってる。オンニが私を大切に思ってくれてるの分かってるから平気なの。教えられてる間は嫌だとしか思わなかったけど、オンニにするのは嫌じゃなかった。」
「ジヒョ…。」
「だから大丈夫。伝わってるよ。私もオンニが好き。オンニが私を選んでくれて良かった。今私オンニのおかげで幸せ。」
ジヒョの大きな瞳が私を真っ直ぐ見つめている。
その言葉には何の迷いもなかった。
私の側にいて、「幸せ」だと言ってくれた。
施設からジヒョを引き取ってから、ずっと不安だった。本当に私で良かったのか分からなくなる時があって、時間をかけてジヒョが私を受け入れてくれるまでなったときも、ずっとどこかに不安が残っていて。
救われた気がした。
私は確かに彼女の側にいれたのだと。
「ありがとう、ジヒョ…。」
「こちらこそありがとう。」
ジヒョが私を見てあまりにも明るく笑うからなんだか泣きたくなってくる。
「オンニ!?何で泣いてるの!!」
「泣いてなんかないわよ!!」
「泣いてるよ!!どうしたの!?」
焦っているジヒョに顔を見せまいと抱きついて離れないでいると観念したのかとんとん、と背中を優しくたたかれる。
その手つきは子をあやす母親のようで、子供扱いするな!!と拗ねてやりたいところだったがゆったりとしたそのリズムは心を解していく。
大人しくそのままでいると、突然ジヒョがクスクスと笑いだした。
「…何。」
「いや、別に…私にされたときのオンニの顔が見ものだったなあ、って。私のこと舐めてたら痛い目みるんだよ。」
ジヒョが得意げにしているので、収まっていたはずのS心がまた疼き出す。
「へえ、痛い目みるのはどっちかしらね?」
「え…。」
ジヒョの腕をとるとベッドに押し倒す。
「え、うそ、オンニ、一回出して…。」
「年寄り扱いしないで。覚悟しなさい。今から何十発もキメてやるから。」
「なっ、そんなのできるわけ…。」
ジヒョの顔が青ざめる。
「αの遺伝子舐めないことね。」
いよいよ真っ青になるジヒョ。
「オンニ、ごめんなさいいい!!!」
「だ、め。」
お楽しみは…これから。