R?小説

□透明度の高い視線
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ここはとある高校である
庵賭博学園 ヤンキーからエリートまで集まるバラエティに富んだ学校である

その学校の中でも一際目立つ存在の一人が佐々木彩夏である
スケバンとして君臨していて女子生徒からの人望も非常に厚い
やや圧が強いがサバサバしていて男らしく惚れてる生徒も多い

「姉貴!!」
「なんだ」
「2年生の○×と△△がまた喧嘩してます」
「なんだと…厄介だな止めに行くぞ」
「はいっ」

ピンクのセーラー服に足が完全に隠れる丈のスカートをなびかせ
竹刀を片手に風を斬って歩く
それを見た生徒達の黄色い声援やサッと道を開ける連携の取れた動き

現場に着くや否や素早い動きで喧嘩を止め 話し合いをもって平和をもたらした

そんな彩夏を影から見守る人影が

彩夏はいつもの場所でたむろしていると1人の女子生徒がやってきた
紫色のスカーフをしたポニーテールの女だ
「高城姉さんだ」
「高城姉さん」
彼女は高城れに 高校生にして警察官をしている 彩夏とは旧知の仲だ
やや掴みどころのない性格だが彩夏が唯一喧嘩に負けた相手として伝説的存在になっている
「久しぶりだな佐々木」
「元気そうだな高城」
このように呼び会えるのもこの2人だからこそである
「ちょっと話があるから、みんな空けてくれるかな」
その一言で一気に2人っきりになった

周りに誰もいないことをしっかり確認すると
「あーちゃん」
「れにちゃん…」
2人はくっついて嬉しそうに指を絡ませる
「会いたかったよう」
「あたしもだよ」
普段からは想像もつかない甘ったるい話し方だ
おでこをくっつけにこにこ
「お仕事忙しいの?」
「うん、ちょっとでも今は落ち着いてる」
キラキラした瞳がお互いの瞳を映す
それがやがて唇に辿り着くと
そのまま重なる唇
うっとりとした表情は一気に熱を帯びて鼓動を高鳴らせる
たまらず抱きしめ合う2人
「なんかドキドキしちゃう」
「久しぶりだもんね」
再び重なる唇は徐々に深く甘くなっていく…
うっすら開いた口にそっと忍び込む舌がそれぞれ様子を伺うように触れては離れ絡んでいく
溶け合うような感覚に思わず力が抜けよろめく彩夏をれにがしっかり抱き寄せる
「大丈夫?」
「うん…もっと…」
彩夏は唇を近づけるがれには人差し指で阻止した
「なんで…」
「その可愛い顔を見たいから」
「ばか」
「ごめんごめん」
れには彩夏の頭と頬を撫でると
再びキスを再開した
絡まる舌と指と甘い吐息
れには彩夏のセーラー服の間から腕を忍び込ませる
キュッとくびれたお腹からグラマーな胸に腕を伸ばす
ふわっと彩夏の力が少し抜ける
下着に手をかけたあたりで
屋上に出るための扉がノックされる音がした
動きを止めると2人は離れた
「ちっ…」軽めの舌打ちの後
彩夏が扉を開ける
「佐々木さん、お元気そうで」
「生徒会長か」
そこにいるのは玉井詩織 生徒会長だ
絶対的信頼のある頭脳明晰スポーツ万能で目的の為には手段を選ばない所があり冷酷な天才と呼ばれる鉄の人だ
「高城さん あなたにも話があります」
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