百合小説(R指定系)

□無粋な南京錠
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夏菜子は目を覚ますと腕の痛みを覚えた
両手を手錠で拘束され、天井から吊るされた鎖に繋がれている。
立ったまま寝ていたらしい。

服は何一つ身に纏っていない。
無機質な部屋には不気味なオブジェが多く並ぶ。

「起きたんだね、夏菜子ちゃん」

声の主は彩夏だ。
やはり何も服を着ていない。

「喉乾いたんじゃない?」
夏菜子はその問にコクリと頷いた。

彩夏はグラスに入ったワインを夏菜子に飲ませた。
少し口から零れた赤い筋が顎から胸に流れていく。

彩夏はコップを片付けに部屋を出ていった。
夏菜子は程なく違和感を感じた。

気がついた頃には時すでに遅し。
早い呼吸とクラクラする感覚、燃えるような疼きが身体中をグツグツ煮えたぎらせた。

「夏菜子ちゃん…もう効いてきたんだ…お酒だから弱めにしたんだけど」
彩夏は夏菜子に近寄ると耳に触れた
それだけで夏菜子の口からは甘い声が溢れる

「これだけで感じてるの?」
「…」
「こっち見てよ」
彩夏が夏菜子の顔を優しく包む。
「どうしてほしいの?」
彩夏の瞳は無邪気なのに狂気に満ちていた。
夏菜子の潤んだ瞳は揺れた。
「あーちゃんの好きにして」
彩夏の瞳の奥が揺れた。
「彩夏様の好きにしてくださいでしょ?」
トーンが下がった響く声に夏菜子は震えた

「あ…彩夏様の…好きに…して下さい…ひゃっ…」

夏菜子が言い終わる前に彩夏は夏菜子の首筋に舌を這わせた。

真っ白な首筋や鎖骨は、血管が浮き出てほんのり赤い。
彩夏はその首筋や鎖骨をキスしたり舐めたりじっくりじっくり刺激していく。
敏感な夏菜子の体は何をしてもビクッと動き声が溢れるのだった。

彩夏はやがて自分の胸を夏菜子の胸に触れるように動かし始めた。
「ああっ…あーちゃん…それだめ…ぇっ!!」

夏菜子は彩夏の胸の先が自分の胸の先に触れる感覚にとても弱いのだ。
それを発見した彩夏はこのやり方を必ず取り入れるようになった。

夏菜子は声を抑えられないどころか、大きく声を出すとそのままびくびく身体を震わせながらガクッと力を抜かせた。

「もう、いっちゃったの?」
「はぁ…はぁ…あんな…しちゃ…だめ…」
「じゃあもっとだね」

彩夏は意地悪に微笑むと再び先程の動きを繰り返した。

夏菜子は何度も身体を大きく震わせた。

やがて夏菜子の目からは涙が溢れ流れた。
足の力だけで立つのも辛かったらしく、手錠でできた手首の傷ができはじめたのだ。

「ちょっとやりすぎちゃった…ごめんね」
彩夏は手錠を外すと夏菜子をベッドに寝かせた。

そして脚を開きそこを舐め始めた。
「や…もう…死んじゃう…」
夏菜子は声を上げた
迫り来る快楽に頭が麻痺していた

彩夏は舌の動きを辞めることはなかった

夏菜子の体が震えて、涙も枯れて
眠るまで。







夏菜子は目を覚ますと
味噌汁と卵焼きの香りがした

彩夏が台所で朝ごはんを作っていた

「夏菜子ちゃんおはよう、今日は夏菜子ちゃんのすきな魚もあるよ」

夏菜子はエプロンを着た彩夏の後ろ姿に抱きついた。
「今度は私があーちゃんを可愛がる番ね」
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