フェイク・本物はどれ?

□1章 偽物 朱雀
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みなさん、こんにちわ♪僕は朱雀です。
僕がいるところは廃病院だよ!僕達の溜まり場だよ!灯りは月の優しい光だけであとはなんにもない。どんよりした空気感にたまにすきま風とか吹いてめっちゃこわいです泣きそうです。
すごく、怖いです。早く帰ってえぇ!!
とかって思ってたら誰か帰ってきたみたい。だれかな?って思って振り返ると、金髪の赤い目をしているイケメンの男子(長身、180とかって言ってたような?)

「ただいま、朱雀。桜季は?」
首でふるふると横に振った。
「チッ、あのチビは厄介事を持ってくるから何があってもいいように備えておけよ。」

僕は街に繰り出す時は、無口&無表情でいる。
普段は笑顔でが基本装備だから、簡単に普段の僕に結びつかないんじゃないかってことでこうなった。

あと、この金髪の赤い目をした男は金紗(きんしゃ)あともう一人いて、
ピンクの髪に赤い目をした男の娘みたいなのが桜季(おうき)っていう人。

僕達は3つの組織に指名手配みたいに狙われてるんだ。それでもなんで捕まんないってのは二人が単純に恐ろしく強いから、金紗は長身ながら酷く重い一撃を完璧に打つから捕まる前に気絶させられるから捕まえられない。

桜季は、低身長ながらすばしっこく、それでいて隙を逃さず攻撃してくるから捕まえにくい。僕も結構強いほうだけど二人には叶わないと思う。
で、桜季は僕より楽しい事、面白いことが大好きな人なのでよく厄介事を持って来てその後処理を金紗がやるってのがいつものパターンだけど、
今回は帰ってくるのが遅い。何かあったのかなって心配になって、金紗を見上げれば金紗は

「わかった、桜季を探しに行こう。」
金紗はドンピシャで僕の考えてることがわかるみたい、(桜季もそうだけど)
「お前は、俺らといる時はわかりやすいけどな」ってわらって答えられた。
って、会話を少しして桜季探しから数分、桜季が居そうな所を考えていたら、廃病院の近くにあるビルの駐車場的なところで、出入口の方から声がして、そっちを振り向くと、
「よう、朱雀。」
割り込んで来た声
僕と金紗以外誰もいなかったのに。
「桜季を探しに行く必要はねえぜ。」
っと、愉快そうな声の持ち主はどこ聞き覚えのある人であり、
ただ、桜季じゃないこと。そいつは僕達を指名手配している族の1つ、
紅蓮(こうれん)の族長、キョウ。
僕達の邪魔をしようとしているようなので、睨みつける様な殺気を出すと、金紗が僕の代わりに、
「……桜季に何をした」
っと、酷く冷たく言い放った。

キョウは悠然と金紗の殺気をものともせずに、呆然と立っている。さすがは、紅蓮の連中を束ねる長だ、実際総長を務めているんだからこれくらいはなんともないかもね。

「まだ何もしてねぇ、だか、ずっと狙っていた奴を手に入れたんだ、今頃よろしくやってんじゃねぇか?」
っと、歪んだ笑みを浮かべてそう告げた。
キョウはだれとも言ってないのに、『ずっと狙っていた』その一言で、分かってしまった。

顔を合わせるたび、執拗以上に絡んできては、いっつも桜季を舐めまわすようにねっとりとした視線を向けてくる、紅蓮の副族長のジン。警戒はしていたが捕まったと聞けば助けに行かなくてはってことで、僕は飛び出した。

キョウの横から飛びだすように走ると、
横から捕まえる様に腕が伸びてきた。
僕は捕まる寸前に避けて、キョウに
触るな。邪魔するなっていう視線を向けた。
「いいねぇ、人形みたいな冷たいツラが歪む様を。もっと見てぇ」
「……」
「なぁ、朱雀。なんか言えよ。お前の声が聞きたい。温度ない声で我慢してやるから」
って、絡みつくような視線に上から下からって見られて内心大泣き状態です。
綺麗な部分じゃなくて、恋や恋愛的な意味じゃない、100%そういう意味での視線を受けて、へっぴり腰になりそうだけど、一応今は朱雀の姿だから演技をしてるから表面には出さない。
変態にそういう姿晒すとろくな事ないので、そういう姿勢はせずに無心になる。
一層無機質を意識する。

「…こいつを視姦なんて100年早いんだよ、このボケが。」
金紗が僕を庇って、前に出た。
僕と金紗は身長はある程度近いほうだけど金紗の方が高いので、遠慮なく盾になってもらいます。
金紗の背中越しかキョウの舌打ち音が聞こえてきた。むしろ、舌打ちしたい方は僕ですよ、キョウ。

「てめぇはいっつも邪魔なんだよ。金紗!!俺の朱雀に引っ付きやがって」
「あぁ?だれがお前のもんだよこのボケ。嫌われてることくらい自覚しろよ。クソ総長 」
「ハッ!んなもん言われなくたって知ってるわボケナス。嫌がろうがなんだろうが、閉じ込めればなんの問題はねぇ。おい、朱雀。大事にしてやるから俺の物になれ」
「…………なんだこの変態。というか、そんなこと言われてホイホイついて行くアホはいないとおもんですがこの変態」(大事なことなので二回言いました。)

呆れている金紗に全面的に肯定します。というか、こんなのが生徒会長とか世も末だなー。

紅蓮は桜雅学園の高等部生徒会長を中心とした族なのだ。
高等部生徒会長こと篠宮響也(しのみや きょうや)こと、キョウが総長をしている。
小説通りの俺様生徒会長だから慣れるまで笑うのを堪えるのが大変だった。ふふww

キョウは、特に変装もせずに暴れてるから、学園内では公然の秘密となっている。
僕からすれば喧嘩とかバレたら不味いわけだし、少しくらい変装すれば?って感じ。

ショートより少し長めの明るい茶色の髪にスっとした赤い目、10人中10人が見惚れるほどの綺麗で整った顔が一切隠れてない。
目元の泣き黒子(ぼくろ)と気だるそうな雰囲気に高校生にしては高い身長をしていて、がっちりとした体のおかげで全然高校生に見えないから、夜の街に溶け込んでる。

あっでも、目はカラコンで変えてるみたい。目の色は普段と違うから。
普段はごけ茶だけど、夜は僕達と同じく赤い目。最初は普通だったけど、いつの間にか赤くなっていた。どうせ変装するんだったら、髪色も変えないとダメだと思うんですけど。

それから、副族長が会計で、幹部が庶務の双子だったような。それで他の幹部は他の学園の有名人だったような。
学園の有名人立ち何やってんですか。というか、小説見たく学園のトップがなにしてるんだよ。まぁ、面白いから放置してるけどね。というか、小説が現実見たくなってるからいいけどね。

《他の学園での親睦会的なやつがあるから主な学園を3つほど紹介しとくね。
1つ目、文月学園(ふづき がくえん)
2つ目、如月学園(きさらぎ がくえん)
3つ目、葉月学園(はづき がくえん)
この3つの学園の詳細はまた今度話すね、僕がいる学園は2つ目の如月学園。》

僕を庇っていた金紗が目線を寄越してきた。
ここはまかせて、桜季を探してこいって意味だと思うから、小さく頷いた。
金紗が人の輪を見渡す。そして、キョウに視線を定めた。

さっきは闇雲に行こうとしたが、冷静になって考える。

僕達は同時に行動を開始した。

金紗がキョウを足止めしつつ、撃退するため。
僕は、下っ端を潰しながら、桜季の元に。

下っ端を一撃必殺で殺る。男についてるアレをやりながらの方が早いが、狙いが悪いんで、十人近くの人に、溝内にドーンっとしながら、桜季の元へと足を進める。
溝内と金玉を狙って、敵を撃退してるから、相手は青ざめながら、へっぴり腰ながらだったから、やりやすかった。

ごめんなさいと思いながら無機質な表情のまま敵を撃退する。
 

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