【お団子大好き最強忍者】

□催眠術?
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「先生!催眠術ってやつ、教えて下さい!」

「は?」

縁側で姫の団子を頬張りながら
幸村と佐助の鍛錬を眺めていると
ふと佐助がおかしな事を言ってきた。

「この前、幸村様にやってたじゃないですか!
俺もやってみたいです!」

「ダメ。」

「ええ。そこをなんとか…」

「まだ心惑いの術も出来ないのに
何言ってるの。」

「うっ…」

「簡単に言ってくれてるけど
そもそも、かかりやすい人間と
かかりにくい人間がいる。
幸村とか、姫は人を疑う事を知らない
かかりやすいタイプ
逆に…信幸さんとかは
かかりにくいタイプだね。」
(あの人に催眠術なんてかけたら
倍返しされそうだしね)

「人を疑うなんて、そんな無礼な事
あってはならん!
ましてや、真の友と思ってるお前を
疑うわけないだろ。」

「はいはい。あつく語らなくていいから。」
(そういう言葉を真顔で言える性格は
本当に羨ましいよ)

「姫は先生に催眠術かけられた事あるのか?」

「うーん…多分ない、と思うけど…」

「さあ、どうだろうね?」

「え?」

「じゃ、いこっか。」

含みのある笑顔を姫に向けると
不安そうにしながらも、
そわそわと落ち着かない様子の姫の腕を取り
その場を後にした。


「催眠術かけられてみたい?」

部屋に戻り2人きりになったところで
膝の上に姫を乗せその身を閉じ込めるように抱きしめる。

「…嫌です。」

「そ。」

「だって才蔵さんには
頭や心を操られた私じゃなくて
本当の私を好きになって欲しいから…///」

「…っ!」
(無自覚に煽るのやめてよね。
心配しなくても、とっくにお前さんに溺れてる。)

「でも、本当のお前さんじゃ、
恥ずかしくてしてくれないような事を
要求したくなるかもよ?」
(俺も、本当のお前さんが欲しいから
催眠なんてかけないけど…)

姫が同じ思いでいてくれた事に
くすぐったいような気持ちが溢れる。

「…っ///恥ずかしくても…頑張ります///」

心の中と正反対なことを口にする自分の性格に
飽き飽きしながらも
姫がそんな可愛い事を言ってくれれば
もっと聞きたくなって
わざと意地悪く言ってしまう。

「ククっ…熟れた林檎。
そ。じゃ今夜が楽しみだね」

そう言いながら顎をクイッと持ち上げ
姫のうるうるとした瞳を
目に焼き付けるように見つめると
そっと唇を奪ったのだった。

(お前さんは俺のもの)


ーendー



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