【お団子大好き最強忍者】
□ー痕ー
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「才蔵さん、お団子です。どうぞ。」
「ん。」
本を読む才蔵さんの視界の片隅に
コトッと音をさせてお皿を置く。
チラッとお皿に向けられた視線は
緩やかに柔らかい表情になった。
「今日は才蔵さんの好きな粒餡ですよ」
「お前さんも食べる?」
「いえ、私は………」
「苦手なの?」
「食べれないわけではないんですけど
薄皮が苦手で…」
「大丈夫。それは俺が取ってあげるから。」
「え、どうやって…」
「んー?やってみよっか」
パタンと本を閉じると、才蔵さんの膝の上に座らされる。
首筋を撫でられる感覚に身体が思わずビクっと反応してしまう。
「………ここどうしたの?」
「え?どこですか?」
「ここ…赤くなってる」
才蔵さんの長い指が鎖骨の辺りをカリカリっと行き来する。
僅かに痒みのようなものが走った。
「気が付きませんでした…虫にでも刺されたのでしょうか。」
「ふーん。お前さんの血はよっぽど美味いんろうね。」
才蔵さんは白い肌に真っ赤になったそれを見て悪戯に微笑む。
「……美味しくないと思いますけど」
「…ん、味見。」
「えっ……あっ///」
瞬間、チロッと温かい舌が肌をなぞる。
チクッとする痛みを感じると
才蔵さんはフッと満足そうに口角を上げていた。
すると今度は着物の合わせにするっと手が差し伸べられる。
「才蔵さん!……ダメです///」
「他にも刺されてるかもしれないでしょ?
薬塗ってあげる。」
「じ、自分で出来ますから…」
「ほら、大人しくして」
「まだ明るいのに…こんなの恥ずかしいです///」
「んー?何想像してるの?薬塗ってあげようとしてるだけでしょ。」
「だって、こんなの……///」
そう言いながら今度は内股を撫でられる。
「ほら、あった。………ちゅっ」
「…っんん///…薬塗るだけって……///」
「生意気に紅い痕なんて残してるからだよ。」
「才蔵さん……それって…」
「何?なんならもっとつけてあげようか?俺の痕。」
「………っ才蔵さん///…お、お団子は!」
「あとで。姫の方が美味そう。」
才蔵さんの悪戯な微笑みに敵う訳なく
まだ日が明るいうちからすっかり翻弄されるのだった。
ーENDー