夢喰いメア

□夢喰いメアの地獄のお茶会1日目
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ビッグマムとの会話が終わり部屋の外に出たとたんメアは頭を抱えてしゃがみこむ。

「えー...どないしよう。結婚したとしてもわいはここに住まなあかんよな?」
「はい」
「自由に出入りできへんよな?」
「はい」
「逆らったら、仲間は殺されてまうよな?」
「はい」
「....メリットないやんけ」
「はい」
「麦わら君たちが乗り込んでくるのを願うしかないんか...」
「俺たちで止めるのはいかがでしょう?」
「無理や。相手はあの四皇のビッグ・マムやで?シャーロット・リンリンは手段を選ばへん女や。大事なお前達を使ってでも自分が助かることは会いたくない」
「そうですか...ならば、できる事をしておきます。夜までの外出許可を」
「ええよ。いってらっしゃい」

窓から狼の姿で飛び立ったライを見送りメアはとぼとぼと廊下を歩く。
ふと、この城にいると聞いたサンジのことが気になったのでそちらに足を運ぶ。
サンジの部屋の前まで行くと扉に顔が浮き出てきた。ビックマムの能力だ。

「何の用だね?」
「この部屋の主に会いに来たんや通してくれへん?」
「んー...ダメだ。ママに怒られるのだよ」
「ん?開けろや。ゲストが会いたいって言うてるんやから」

扉の顔の前に手を持って行き能力を使うと誰かに報告されることもなく消し去る。
ルンルン気分で部屋に入るとそこに夢にまで見たサンジがいた。ベランダに出て何か考え事をしているのか、こちらの音には全く気がつかない。
風に揺れる金髪が陽の光を受けてキラキラと輝き、綺麗だった。
ベランダの扉まで近づいたところでやっとメアに気がつく。
驚いたように目を見開き後退りした。

「っ!?誰だ」
「そんな警戒心むき出しにせんといてよ〜。わいの名前はメアや。いやいやぁそれにしても、こんなところでの大好きなルーキーに会えるなんて...夢にも思わへんかったわ」

一瞬、眉を潜めるが、すぐに目を伏せてしまう。メアはサンジの手首に何か付いているのを見つけるとすぐにその手を取った。

「てめっ!何を」
「これ...危ないやつやん。なんでこんなものつけてんの?君...料理人やろ?手ェなくなったらご飯作れへんやん」
「やめろっ!!外そうとすると自動的に爆破するんだっ!」
「知ってるよ。これ作ったのわいやし」
「は...?」
「これでも武器商人なんよ。まさか大好きなルーキーの拘束具として使われてまうとは...考えが浅かったわぁ」

サンジはその危険なブレスレットを外してくれようとするメアの手をじっと見る。
これを外してくれたら俺は自由だ...でも、でも.....
そこまで考えてサンジは思いっきりメアを引き剥がした。その勢いでメアは
後ろに倒れてしまう。
その拍子に結んだ髪がまた解けてしまった。
サンジはもう一度、目を見開く。
髪が解けたメアの容姿は美人の類に入る女性と然程変わらなかったから。起き上がろうともがくメアに手を貸す。
メアは笑顔でそれを支えに立ち上がった。

「....悪い」
「いや、大丈夫や。自分の嫌なものを自分からつけてるってことは...何か深い理由があるんやろ?」
「あぁ...」
「話したくなかったら話さんでもええよ」
「いいや...話す。誰かに話したかったんだ」

サンジはひとつひとつ話し出した。
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