夢喰いメア
□夢食いメアの非日常
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ここは新世界。
始終波が穏やかな春島に今作の主人公、メアが作った組織の拠点がある。
1人の男が大きな桜の木下でラフな格好で1人で酒を飲んでいる。
喉を鳴らして飲む北海の酒が爽やかな味を残して広がっていく。
この時間がメアのお気に入りの時間だった。最後の酒を開けようかと手を伸ばす。
その時、女社員の高い声が響く。
「メ、メアさーんっ!お手紙がッ!!」
「はぁ?手紙ぃ?いま良えとこやったのに」
すみませんすみませんと頭を下げながらも手紙を渡される。
頭を掻きながら立ち上がると封筒を開け中身を確認する。文章を読み進めると共にメアの糸目が開いていく。
そしてそれを大事そうにしまった。
「メアさん?」
「大変なお誘いを受けてもうたわ」
「へ?」
「お前もよー知っとるやろ?四皇ビッグマム。その娘の結婚式の招待状や。しかも花婿はわいの好きなルーキーの船員、黒脚のサンジやで」
行くしかないやろ。そう言い酒の入った瓶を傾ける。慌てて女社員が止めにかかるも遅く、全部飲み干してしまった。
「リンリンの好きなセムラと...花嫁さんへのプレゼント準備せなあかんな。あと、ライを連れて行こうと思おてるから」
「分かりました。伝えておきます」
「クック...楽しくなりそうやな」
桜に囲まれた道を自分の部屋に戻るために歩き始める。その顔には何か先を見据えたような笑みが浮かんでいた。