短編

□私はあなたにふさわしい
1ページ/1ページ

「付き合ってください!」
そう言いながら頭を下げた男子を見る。こんな風に告白されるのは何回目だろう。正直同級生に興味なんかないの。
「ごめんね?好きな人がいるから。」
そう言うと来た道を戻る。途中で屋上を見上げればあの人がいるのがわかった。先生のくせに屋上で葉巻を吸っている。
少し迷って私が手入れをしている花壇へ行く。最近咲いた真っ白な薔薇に水をあげて軽く雑草を抜いてあげた。
ジャリ、という音がして振り向くとなんとも機嫌の悪そうな顔をしたクロコダイルと目が合う。
「なんで来なかった?」
「花壇の手入れをしたくて」
「付き合うのか?」
きっと告白を見ていたのだろう。見られて困ることはないけど少し恥ずかしい。
「おい、どうなんだよ」
怒り気味なクロコダイルに背を向けてしゃがみ込む。咲いたばかりの綺麗な花を丁寧に取るとクロコダイルに差し出す。これが私の気持ちだ。告白シーンをみただけで自ら会いに来るなんて。きっと私の読みは間違っていない。
「フンッ、"私はあなたにふさわしい"か。笑わせる」
そう言うと握りつぶすような力で腕を引く。怒ったのかもしれないけどしっかり花は受け取ってもらえた。
社会科の先生が使う部屋まで行くとソファに投げられる。クロコダイルが怖いのかほかの先生は全然使っていない。
「んっ、ちょっと!」
適当なグラスに水を入れるとチューリップをぶっ刺す。そしてそれを机へ飾ればソファに乗って深く口付けをされる。
「んっ...ふぁっ..。ちょっ、とまって!」
必死にクロコダイルを押し返す。
「なんだ?初めてってわけでもないだろ」
「そ、そーだけど!」
ならいいだろう、とばかりに制服を脱がせていく。好きな人とそういう行為をすることに抵抗はないけど流石に展開が早すぎる。下着とか何着てたか気になるしムダ毛の処理とか自信ない。
「なに真っ赤になってやがる。」
喉を鳴らしながら笑う姿にいつもとは違う色気が含まれていた。
「そりゃあ照れるよ!」
ニヤ、と笑うと下着の上から胸を揉む。必死に声を抑えながら快感に耐えているがそれを楽しんでいるのか執拗に突起のある場所に触れる。
「んんっ....。」
背中にまわってきた手がホックを外すともう片方の手が直に触れてくる。
「ひっ...。んぁっ!」
つい出てしまった声に焦って口を塞ごうとするとクロコダイルが顔を近づけて来た。何度も口付けを交わしながら手はだんだん下へ下がってくる。
「あっ、あぁ....」
ショーツ越しに敏感なところを責められる。ビクッと反応する度に口の端をあげて意地悪そうに笑うからこっちの羞恥を煽る。
「すげぇ濡れてやがる。」
そんなことをいいながらショーツも下げると濡れているソコへ指を入れる。
「やっ、あぁんっ...。だめっ...」
「ハッ、イきそうな顔して何言ってやがる。1回イっておくか?」
ニヤリと笑いながら1番いいポイントを責めてくる。
「んっ...!あぁっ、だめっ、イっちゃう...」
「ココがいいんだろ?イけよ」
「んんっ!ああぁっ!!」
だんだん早まる指の動きに耐えきれず体を仰け反らせて絶頂を迎えてしまった。キスをされていたおかげで声はあまり漏れなかったけど目の前のクロコダイルは楽しそうだ。
「激しくイったな。名前、いれるぞ。」
ガードの固いクロコダイルがはだけている姿は女の私より全然色気があって少し悔しい。
さっきとは比べ物にならない圧迫感に必死に耐える。
「んんっ、おおきいっ...」
少しの痛みに耐えるため目をつぶると優しく頭を撫でられた。普段からは想像出来ない優しい手つきにビックリして目を開ければ少し苦しそうな顔をしたクロコダイルにキスをされる。
「きついな...。あんまり締め付けるなっ」
初めて見る余裕のない顔にドキドキしてしまう。
「あぁんっ....あっ...!クロコ..ダイルっ...。」
「あぁ、名前。」
名前を呼びながら首に腕をまわして抱きつく。
「あっ、だめっ..!んんっ...!ああぁぁっ!」
二度目の絶頂を迎えてぐったりしていると少し止まってくれた。
息が整うとまた動き出したから意味が無いくらい乱れる。
腰の動きが早まるとクロコダイルにも限界がきたのか眉を寄せながら吐息を漏らす。
「うっ...。おい、出すぞ」
「あぁっ、うんっ。はぁっ....。あっ、激しっ..!あぁぁんっ...!」
「くっ....」
クロコダイルのが子宮に当たるのを感じながら3度目の絶頂を迎えるとその刺激でクロコダイルがお腹の上に欲望を出した。
しばらく2人で呼吸を整えているとクロコダイルが何事もなかったかのように後処理をして服の乱れを直した。
それとともに予鈴がなったから慌てて起き上がる。腰に痛みを感じたがこの際放置しかないだろう。
「急げよ。」
「クロコダイルは?」
「何も入っていない」
「ずるい!」
行為後とは思えない会話をしながら身支度を整える。ある程度直すと机の椅子へ腰掛けているクロコダイルに近付く。
「急げと言っただろう」
「キスして」
ため息をひとつこぼすと頭を引き寄せて触れるだけのキスをしてくれた。
「ふふっ、ありがと!」
そう言うと教室までダッシュした。


(あれ、そう言えば付き合ってる、でいいのかな?)(連絡先を聞き忘れたな...)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ