短編

□ヒマワリ
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クラス分けの紙を見てから私のテンションは低い。ナミと一緒だったのが唯一の救いだ。
「お、名前!離れちゃったな、残念だ。ナミもな!」
「そうですね、シャンクス先生と一緒が良かったです」
シャンクス先生とルフィは一緒だったけど私とナミは違うクラス。
ただの生徒だと思われているから俺もお前と一緒が良かった、という言葉を返してくれた。ドキドキと高鳴る胸を必死に抑えて教室へ行く。今日からこの教室で違う担任だ。すごく悲しいし寂しいけど数学の授業では会えるからそれを楽しみに学校へ来よう。数学ももっと頑張ろう、と心に決めた。





2年生になって何ヶ月か経った。
違うクラスになれば会う頻度も減る。そうなれば話すこともなくなってしまう。なのに日に日に想いは増すばかりで廊下ですれ違うと嬉しくてついついにやけてしまう。
「もう言っちゃいなさいよ」
「無理無理!」
今でもたまーに雑用を手伝うからそれも無くなるのは嫌だ。それに迷惑もかけられない。
ナミは呆れているけど私にとっては絶対に無理なことだ。あからさまに好意を寄せてシャンクス先生の近くに群がっている女子たちが少し羨ましい。
「おっ、名前!進展したかー?」
「ダメダメです」
廊下で声をかけてくれるが内容はいつも好きな人のこと。頑張れ、と応援してくれるけど全く勘付かない。
「もう片想いなげーじゃん!告っちゃえ!」
笑って言われる。私が好きなのはシャンクス先生だと知ったらどうなるんだろう。気にはなるけど行動はしない。
「絶対無理なのに告りませんよ!」
笑いながら返すと真剣な顔をされた。
「名前は可愛いし性格もいいし頭もいい!誰が断るんだ?」
真っ直ぐに見つめられて言われると
すごく照れる。
「じゃあシャンクスならOKするの?」
「先生と生徒じゃなきゃな!全然付き合いてぇ!」
ナミの質問に笑いながら返すシャンクス先生。
ほかの生徒に呼ばれてそっちに行ってしまった。
「よかったじゃない!卒業したら告白確実ね!」
「いやいや、されるって思ってないから言っただけでしょ!」
口では否定するけど心臓は爆発しそうだ。
「でもいつかは言うのよね?」
「んー、どうだろうね?フられるくらいなら言わなくてもいいのかなぁ」
何言ってるのよ、と笑うナミと教室へ戻ると授業ギリギリだった。でもクザン先生はチャイムが鳴ってから入ってきたからバレなかった。



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