君と過ごした1ヶ月

□8月9日
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「いらっしゃーい!」
「きゃー!!!!名無しさんの彼氏カッコよすぎる!!」
「んなことないっすよ。お2人の方が」
笑顔で出迎えた私をスルーしてエースに寄って行った。わたしはいいけど彼氏さんたち微妙な顔してるよ。
「綺麗じゃないけどごめんね。」
「綺麗だよ」
エースほどじゃないけどなかなか整った顔をしている2人も家にあげるとリビングに通した。お茶とお菓子を持ってテーブルに置くとエースも馴染んでいた。
「いつ捕まえたのよ!」
「えーっとこの前」
「どこの人!?」
「んー、ハーフなの」
「日本にいられるのは1ヶ月だけなんだ。」
何度もした打ち合わせ通り話を進めていく。ここで誤魔化してもエースは1ヶ月後にいなくなるから騙せるわけがない。なら初めから言うのか一番いいだろうということになった。
「一ヶ月だけの恋かぁ…。切ないね」
「わかってて好きになったんだからねえ」
お菓子をつまみながらカップルが3組揃ったら恋バナが始まる。2組は少し前から付き合っていて仲もいいから特に話題もないのだろう、今回は私たちが質問攻めにあっている。大半流しているんだけど。
「エースさんは名無しさんのどこに惹かれたの?」
「初めは顔。あとスタイル」
嬉しくないし惹かれるような顔でもスタイルでもない。
「美人だよねー!なのに性格までいいの!面倒くさがり屋だけどね」
「どこがよー!」
「あと冷めてる!」
「違うって!」
「好きだ」
「きゃー!!羨ましい!!」
自分たちにも彼氏がいるのに何が羨ましいのか。
「二人の彼氏かっこいいよね」
「名無しさんの彼氏に比べたら全然!」
「いやいや!」
「名無しさん」
「ん?」
私がほかの人をかっこいいと言ったのが嫌だったのか抱き寄せられた。
気恥ずかしくて関係ない学校の話とかをしていたらいつの間にか女と男でバラけていた。
エースも楽しそうだ。
「見つめちゃって!」
「上手くやってるな、って思っただけ!」
本当にそうなのに疑われてるし。
でもエースが楽しそうにしてるならまぁ、いいか。

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