君と過ごした1ヶ月

□8月8日
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〜〜〜〜〜♪
「ふんふふーん♪」
家中に聞こえるように大音量で曲を流して掃除なう。
トイレで掃除しているエースの鼻歌がキッチンまで聞こえてくる。まあ近いんだけど。
3人で夜ご飯作ろう、と言われたからせっせと黒ずみを落としています。ピカピカにしてみせます。
「トイレ完了!風呂してくればいいか?」
「汚いところばっかでごめんね」
「世話になってるしな!」
サビだけ覚えてるのか歌いながら風呂場に消えていったエースを見送るともう少しで消えそうな黒ずみと戦った。
「名無しさんー!」
「はいはいっと。」
呼ばれたから風呂場に行くと洗剤がわからないらしい。
「普通のはこれで、 こーゆーカビにはこれを付けて少し放置して。」
「なるほど。わかった!」
ならさっそく、とスポンジを濡らすため、エースがハンドルをひねった。
「うわっ!!」
「まちがえた!!」
ジャー、と音を立てながら流れたのは一瞬だったのに2人ともびしょ濡れになった。
「わ、わりぃ…」
「いや、うん、あるあるだよね」
「しかも水…」
「出し始めだからね。まぁいいや。風邪ひかないでね」
そう言うと出ていこうとしたのにエースに止められた。
「お前が風邪ひく」
「すぐ着替えるよー」
「お湯浴びてから!」
大丈夫なのに変に過保護なエースが許してくれなそうだから観念するとエースが出ていこうとした。
「エースが風邪ひく」
「一緒に入っていいっつーなら遠慮なく入るけど?」
「……………風邪ひいて」
「ひでェ!」
さすがに無理だ。一緒は。ちゃちゃっと浴びて変わろう。
「すぐ上がるから待ってて!」
「おう」
脱いだ服は蓋の上に置いて熱めのシャワーを浴びると脱衣所に行こうとして気付いた。
「やばっ…着替え忘れた」
バスタオルか。バスタオルだな、バスタオルしかない。
タオルをまいて寝室まで走ろうと意気込む。
「えいっ!」
かなり恥ずかしい。エースもだし窓から見られる可能性があることもだ。
「いったぁああ!」
「名無しさん!?…え。」
「ちょ、見ないで!痛いし!」
ちゃんと拭かなかったせいで滑った。そして転んだ。エースが固まってるよ。タオルが外れないよう押さえながら寝室に逃げ込むと楽な服に着替えた。
「見なかったことにして」
「いや、無理だろ…」
気まずそうにしてるエースが嫌で脱衣所に押し込んでキッチン掃除を再開した。



(着替え忘れた!!)(学んでよ!!!)(取ってきてくれ!!)(え、えぇー…)

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