反抗期?思春期?

□困った思春期
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「おいおい名無しさんちゃん、本人目の前で悪口はどうかと思うぜ」
「うるせぇ、人間をかけたサングラスが」
「本体サングラスかよ」
夕食後、ベビー5と話していたらコイツが来たからいつの間にか悪口になってしまった。なくなった酒を取りに来たらしくスグにいなくなったけどなんとなくベビー5に思う存分愚痴ってたらかなり遅い時間になった。ベビー5の恋バナのせいもあると思う。
部屋に行くまでに奴の部屋を通らなきゃいけないからそっと歩くと部屋の明かりに気づいた。最近は満足に寝れていないようでカリカリ気味だ。禿げるぞ。
若様の毛根を気にしていても仕方ないから部屋に戻るとシャワーを浴びてベッドに寝転んだ。髪の毛を乾かさないと朝やばいことになるけどドライヤーをするのが面倒くさい。寝てしまおうと目を閉じるが隣の音が気になる。私のベッドと壁を挟んだ隣に若様の机があるらしい。いつかそう言っていた。
「あぁもう、仕方ないな」
パチっと目を開けると部屋から出た。月明かりだけを頼りに厨房へ行くと今日の夜ご飯の残りらしきご飯をレンジで温め、お湯を沸かす。
ニボシと昆布でだしを取りながらおにぎりを作るとニボシ、昆布を取り出してワカメと豆腐と油揚げを切って入れた。味噌も入れれば普通の味噌汁だ。
そろそろいいかな、と火を止めようとした時足音が聞こえてきた。
七武海ドフラミンゴのいる王宮に誰かが忍び込むはずがないから海賊の心配はないけど怖い。振り向けずに下を向いていると聞き慣れた笑い声がした。
「フッフッフ、名無しさんちゃん何してんだ?こんな時間に」
「どっかの誰かに、おにぎりを作りたい気分だっただけ」
急に安心したから振り向くと優しく笑ってる若様がいた。うるさくて眠れない、とか文句を言ってやりたかったのに言えなくなるくらいの、優しい顔。
「フフッ、嬉しいぜ」
「何しに来たの?」
「腹が減ったから」
そう言うとおにぎりを食べ始めた。味噌汁もちゃんと飲んでくれた。
「とびきり美味しい飯をありがとう。フフッ、好きだぜ」
椅子に座っていた若様に抱き寄せられると膝の上に座ってしまった。恥ずかしい体制だ。
「嬉しいぜ、名無しさんちゃん」
「はいはい」
「好きだぜ」
「はいはい」
「好きだろ?」
「はいh…違います!」
危うくこいつの手に乗る所だった。もうほとんどアウトだったけど。
「フッフッフ、好きだろ?」
素直になれよ、と耳元で囁かれると顔に熱が集中した。分かっているくせにこういうことをするんだこいつは。
「……好き!」
たまにはやり返そうと真っ赤な顔で自分より高い位置にある頭を捕まえると薄い唇にキスをした。
「足りねェ」
やり返せるはずもなく、恥ずかしがらない若様に頭を固定されると何度も何度も角度を変えて唇を奪われる。
「も、ダメっ!」
「名無しさんちゃん、俺のもんになれよ」
「ん?」
「付き合おうぜ、おれら。」
「嫌だ。浮気する」
目の前でバツを作って却下すると目の前の男は顔を抑えて笑い始めた。肩が大きく揺れているから本当に笑っているのだろう。
「なによ」
「名無しさんがおれのもんになるならおれは名無しさんのもんになるぜ?」
「信用出来ねー!広告にあるダイエット商品並みに信用出来ねー!!!」
「フッフッフ、まずは試してみろよ。ダイエット商品だって試したことあるだろ?」
「う゛っ…」
図星だったから黙っていると若様の大きい手が私の頭を包み込んだ。
「フフッ、好きな女をいたぶる趣味はねェんだ。安心しろ。傷付けたりしねェよ。」
「う、ん。」
「だから付き合おうぜ」
顔をあげれば優しく笑っていて頷くことしか出来なかった。






〜完〜

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