反抗期?思春期?

□思春期の態度
1ページ/1ページ

朝からディアマンテに笑われて広間へ行けばトレーボルに笑われた。緊張の面持ちで若様に来るな、と願っていたのにまぁ、来るよね…。
どんな顔をすればいいのか、声をかけるべきか悩んでいたのに若様は普通だった。
「今日は早ぇーな。」
「たまには」
いつも通り返してしまうとそのまま食事になった。
「ご馳走様」
元々朝はそんなに食べないからみんなのより少ない食事を終わらせると一番に立ち上がった。
「あんま食べねェから細いんだよ。軽すぎるしな」
「死ね!!」
みんなの前で何暴露してんだこいつ!食事に使ったフォークを投げつけるとキャッチされてわざと舐められた。
「大っ嫌い!!!」
「可愛いなァ?」
「死ね」
大股で自分の部屋へ行くとベッドに倒れ込んだ。



「名無しさんー!プール行きましょ!」
「ベビー5もバッファローも泳げないじゃん」
「足だけつけてればいいのよ!」
強引に連れ出そうとするから着替えるのを忘れそうになった。
新しい水着を着て上にシャツワンピを羽織ると3人でプールまで歩いていく。
「あー!若様ー!」
ベビー5とバッファローが嬉しそうに手を振ると少し離れた場所で女に囲まれている若様が手を振り返した。ちなみに私は顔を背けただけ。
「さて、泳ぎますか。」
シャツワンピを脱ぎ捨てると視線を感じた。
「何ガン見してんのよ、変態」
「フッフッフ、あまりにもいい身体だったからつい、な。」
顔を背けながら鼻で笑うと可愛くねェとボヤいてた。
女達が泳いでいる中飛び込めば甲高い悲鳴が聞こえた。うるせェ。
「ぷはっ!」
全身びしょ濡れになるとプールから出て若様のところへ行く。これは嫌がらせであって嫉妬なんてしてない。絶対。
「つめてェ!何するんだ」
「嫌がらせ」
「おれにはハグにしか見えねェな。」
無視してもう1度飛び込むとまた若様を濡らす。わかっていてなんでよけないんだ。3度目をしようとプールサイドで飛び込む体制をとると後ろから押された。
「きゃっ!?」
顔から思いっきりダイブすると急いで水面に顔を出す。誰がしたかなんて簡単にわかる。
水をかけてやろうと手に水を貯めているとまさかの若様がプールにジャンプした。
「若様!??」
水しぶきの中近付くとプールサイドに捕まって楽々立っていた。
私には足がつかないこのプールもでかい若様には足がつくプールなのだ。
「心配して損した…」
「フッフッフ、心配してくれたのか。可愛いなァ」
グイッと抱き寄せられると若様と壁に挟まれる。
「やだ」
「いい、だろ?好きなんだろ?」
ニヤニヤした顔が迫ってくる。
「好きじゃない!大体あんたも好きじゃないでs」
こいつ人が喋ってんのに無理やり唇を押し付けてきた。若様の舌が唇を這って入ってこようとするから思いっきり体を押すと沈んでいった。
「ええええ!?」
流石に私のせいで死なれちゃ困る。いや、私のせいじゃなくても死んで欲しくないけど!
潜ってシャツの首元を掴むとそのまま水面まで引っ張った。
「ごめん!!若様!!」
「ぷはっ、久しぶりに死ぬかと思ったぜ」
「殺しちゃったかと思ったよ」
首元に抱きつくと背中を撫でられた。
優しく撫でる手が気持ちよくてそのままでいると太もものあたりが少し暖かいことに気付いた。目の前の男の体温なんだけど、うん。
「当てるなっ!」
「抱きつかれたら仕方ねぇだろ」
「そーやっていろんな人とするから嫌いなんだよ!」
「嫉妬か?」
「ちげーよバカ!」
もう気にしないことにして首元にぎゅうぎゅう抱きつく。水面に顔を出している状態を維持するのって疲れるし。
「おい、出ようぜ」
「えー」
「ほら抱っこしてやるから」
「ん」
素直に抱かれると二人でプールサイドにあがった。そのまま体を預けていると押し倒された。
「汚っ!」
「毎日磨いてるだろ。きっと、多分。」
「いやだあ」
「そう言うな」
舐めまわすように見てくる視線からも床の菌からも逃げたくて身をよじると簡単に逃げることが出来た。
「さようならっ!」
「フッフッフ、真っ赤で可愛いな」
ニヤニヤ笑う若様とバカにして笑う幹部達、あとヒソヒソ文句を言う女達に背を向けてびしょ濡れのまま逃げた。



(なにあの子、ださーい!)(フッフッフ、死にたくなけりゃあ口を閉じろ)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ