コナン短編

□それでも
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目が覚めると隣に一人分のスペース。そこはもう冷えきっていて…。
何時に家を出たのだろう。
ごろりと隣のスペースに移動するとすん、と匂いを嗅いでみた。微かにする透の匂い。
「好きっ…!」
目が覚めて透がいたことなんてないんじゃないかな。何をしているのか知らない。聞かれても答えられない、それが透の答え。でも、いつか全てが終わったらちゃんと話す、とも言ってくれた。信じて待つしかない。謎ばかりで何を考えているのかもわからない、欲しい言葉の一つもくれない、それでも透を愛しているから。



「ただいま。今日は早く終わったんだ」
「おかえり。透!」
透は疲れているのを無理して笑顔で繕っている。家に着くなりソファに倒れ込むのだから透の負担は相当なのだろう。
「家では素でいていいから。」
そういうとふわっと笑う。いつものニコリ、ではないから心からの笑顔なのだろう。
「##NAME1##は、おれなんかといちゃダメだよ。」
「何をいまさら。」
そんなセリフばかり言うくせに確信をつくことは言わない。別れようだなんて言われたことがない。だから愛されている、そう信じている。


「透じゃないとダメ…」
お互い寝る支度が出来ると早めにベッドへ入った。
「##NAME1##は…」
またネガティブなことを言おうとした口を自分の口で塞ぐと唇を割って舌が入ってきた。
「んっ…」
必死に絡ませ合うとそういう流れになった。私から誘ったみたいになっているが断じて違う。だけど流されるのもいいなと思った。


「ねぇ、透。朝起こしてよ」
行為が終わったあとなんとなく透に言ってみた。
「嫌だよ、寝不足になるぞ?」
「透なんていつもじゃん。」
「仕方ないの。」
そう言うと背を向けて寝ようとした。
「こっち、向いて?」
「珍しいな」
そう言うと向きを変えてくれた。腕の中に潜り込んで必死に抱きつけば温かい体温に少し安心した。ぎゅうぎゅう抱きつく私を真似してか、力いっぱい抱きしめてくれた。
「透が好き」
「##NAME1##が好きだ。」
久しぶりの愛の言葉に喜びながら行為の疲れで寝てしまった。


(相変わらず起きた時透はいなかったけど優しい気持ちが残った)

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