コナン短編

□幸せな日
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「##NAME1##、シュウが来てるわよ」
「うっそ!赤井さん!!」
FBIが拠点として使っているビルへ入るとジョディがいた。たまにしかビルにいない赤井さんがいるらしい。赤井さん大好きな私は走っているであろう部屋まで行く。
「赤井さん!!!」
「おぉ。久しぶりだな。」
扉を開けながら呼べばコーヒーを入れ終わってすぐなのかコーヒー片手に立っている赤井さんの姿。
「お前もい…!おい、急に抱きつくな」
いるか?と聞こうとしたんだろうが私が抱きつけば呆れたような声が降ってきた。
「うわぁああ!久しぶりです!!相変わらずのイケメンで!!きゃー!好きです!!」
「とりあえず落ち着いてくれ」
私が抱きついた衝撃でコーヒーがこぼれて手についたのだろう。コーヒーを持っている方の手をぺろりと舐めていた。
「ナイスセクシー!!」
「##NAME1##っ!ってあぁ、シュウに会えたのね。」
「まるで飼い主とイヌだな。」
ジョディやキャメルに笑われるがこの際気にしてられない。
「赤井さん好き!!!」
「あぁ。」
私の言葉も行動も大して気にしていないのか普通に歩き始めた。私の分もコーヒーを作ってくれているらしい。あ、ジョディのもだ。
「何あれ?ケンタウロス?」
くすくす笑われているが赤井さんも気にせずまた歩き始める。配慮なんて投げ捨てているような人だからずんずん進む。いつの間にか腰に抱きつく形になっていた。
「赤井さんの腰ー!セクシー!!らぶー!!」
「仕事しなくていいのか?」
「間に合ってますもんー」
間髪入れずに返すと興味無さそうな声が返ってきた。
「ちょっと!シュウ、##NAME1##に厳しく言ってよ!この子基本3日分溜め込んでいるのよ!?」
「ホォー…」
「やっべ!仕事してきやっす!」
今まで抵抗しなかったのに急に両手を掴んで睨んできた。ただでさえ怖い顔をしているのに随分上にある顔に睨まれたら流石に萎縮してしまう。
「フッ…。俺が帰るまでに終わっていたら一緒に飯でも飲みにでも連れて行ってやろう。」
「まじっすか!?赤井さん私の事好きだね!私も赤井さんのこと好きです!!本気だしてきまっす!!」
言いたいことだけ言って部屋を飛び出すと私の部屋と化した小部屋へ閉じこもった。




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「おい、終わったか?」
「赤井さん!あと30秒!」
「時間切れだな。次来た時に。」
そう言うと扉を閉めて本当に帰ってしまった。走れば間に合うのかもしれないが惨めなだけだ。
いや、流れ出したこの涙が一番惨めなのだが。
涙を止めて書類と向き合うとすぐに終わった。まとめて上司の机へ投げるとバッグに散らかした荷物を適当に突っ込んでビルから出た。
「30秒と言ったのはどの口だ?」
「赤井さん!!」
下を見て歩いていた私の視界に映ったのは影。顔を上げる前に大きな手で頬を掴まれた。
「〜〜〜っ!!待っててくれたんですかぁ!」
嬉しすぎて抱き着くと軽く抱きしめられた。
「あーもう好きっ!好きです!!」
「そんなことよりどこへ行く?」
「地の果てまでもついて行きます!!」
心底呆れた顔をした赤井さんが手を掴んで歩き出したのを少し泣きながらついて行った。



(居酒屋じゃないっすかぁ)(どこでもいいんだろう?)(まぁ、ふふっ!赤井さんがいればどこでも幸せです!!)

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