11/25の日記

16:57
パロR-3
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二部屋と言っても隔てているのは引き戸型の間仕切りで、普段は開け放されたままになっている。
元々、ホテル代わりに使われていた部屋にのぞみが転がり込んだのだろう。
家具は向かって左側の部屋にセミダブルのベッドとカラーボックス、小型冷蔵庫があるだけ。
南に面して掃き出し窓があり、窓の向こうには二間続きのベランダがある。ベランダに出たことはないのでこの部屋が何階にあるのかはわからないが、窓を遮るものがなにもないので日当たりがとても良かった。
部屋の中を自由に動けるようになってから、のぞみが出かけて一人になると、タケシはこの部屋にいることが多かった。
日に日に沈みこんで起き上がれなくなりそうな気持ちを救い上げてくれたのは、部屋いっぱいに満たされた陽光の明るさとあたたかさだった。
シャワーを浴びて、美咲に渡されたまっさらな服に着替えて部屋に戻ると、美咲が仁王立ちで待っていた。
「髪、ちゃんと乾かした?」
「一応」
「じゃ、さっさと奥の部屋に行って。すぐに客が来るから」
「のぞみは?」
「別件で出ていて連絡が取れないの。じゃなきゃ、なんで私がこんなこと。いいから行って。のぞみの仕事を手伝ってる男が客を連れてくるから、頼んだわよ」

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