ごちゃ混ぜ
□雪だるま
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不安しかなくて、快く出迎えてくれる人も少なかった。
自分に自信を持てず、他のメンバーに劣等感ばかり抱いていた。
そんなときにくらったあの説教はかなり響いて、
僕の行けない所を的確に判断されていて…。
でも若かった僕はどうしてスヒョンさんがぼくを怒るのか、本当の理由迄は気付けなくて反抗してしまった。
今もあのときのことは凄く反省しているんだ。
「イヤー、ジュンも大人になったな。」
「ヤダー何かその台詞おっさんみたい!」
「ケビン、お前もどっかのオネェ見たいになってるぞ!」
仲良くおでこをツンツンしているフンミニヒョンとケビニヒョンの姿は仲睦まじい筈なのに何故か火花が散っているように見えるから不思議だ。
「別に不思議でも何でも無いでしょ?あれは形勢しあってんの。」
「うーん、どうして何時も考えがばれるんでしょーか?」
「教えない。」
雑誌を持ってさ迷っていたキソプは手頃な位置を見つけたのかソファーにダイブし雑誌を拡げる。
「謎な人。」
「ありがとね。」
お礼を言われて少し嬉しいなぁーなんて考えてたらリビングの扉が開いて
イライヒョンが入ってきた。
「あれ?スヒョ二ヒョンは一緒じゃ無いんですか?」
「俺だけ先に帰って来たなり。」
「なり。って何?」
キソプヒョンでも分かんないことあるんだー
ちょっと人間らしくて嬉しかった。
「さすがに傷つくからね?俺も。」
「はぅ。またしてもばれてる…。」
「なりとは今日本で流行ってる言葉なり。」
「そう。」
あっ。絶対その情報間違ってるのに面倒になったのか雑誌にまた視線を戻してしまった。うーん、教えるべきなのかな?
「面白いからそのままでいいよ。」
「はっ!またしても」
雑誌から目を離しても無いのにほんと何で心の声が聞こえてるんだろう?
「あれ?家のマンネはまだ気付いてなかったのか。」
「スヒョ二ヒョン!お帰りなさい。」
コートには雪が積もっていて雪が降ってる事がわかる。
外に出て遊びたいなー?
「ダメだからね?」
いつの間に雑誌を読み終えたのか扉の取っ手に手をかけた僕の手の上に更に手が重ねられる。
「れ?…何が…ですか?」
「だからさ、外に出るの。風邪引くよ」
もう、どうして心の声が聞こえてるのか考えるのはやめた。
「うぅ、遊びたかったです。」
「子供じゃないんだから」
「だって、だってキソプヒョンに雪だるま見せたくて!」
「え?」
僕の言葉が予想を大きく外れていたのか、手の力が緩んだ。
その隙に僕はリビングを抜け、そのまま玄関迄ダッシュして外に飛び出した。
「へへ。僕だってやればできるもんね。」
階段をかけ降りて、宿所の外に出ると雪はまだ降り続けている。
「珍しい。こんなに雪降るんだ。」
「今日は降るってニュースでもやってたでしょ?見てないの?」
「イヤー、ニュース好きじゃな…えっ!」
当たり前のように後ろにいるキソプヒョンにビックリした。
「い、いいいいつの間に」
「今の間に。ねぇ頬が赤くなってる」
ヒョンがコートを掛けてくれた。
僕の持ってきてくれたんだ…。
「ねぇ、ジュンどうして僕に雪だるま見せたいの?」
「?ヒョン言ってたじゃないですか。いつか本物の雪だるまが見てみたいって。」
あれはいつの事だろう。
もう、大分昔の事のように感じる。
スヒョ二ヒョンと大喧嘩してもう二度と戻るもんか。と初めて口答えしたんだ。
消極的で自分の意見を言えない僕の初めての抵抗だった。
ザクザクと土と混ざった雪が足元でうるさいし、誰も居ない公園は只寒い場所なだけで、家に帰ることも出来くて途方に暮れるしかなくて…。
ボーッとしてたからなのか自分の足音に重なる音があることに気づかなかった。
「ジュン。風邪引くよ。」
そうだ。
あのときも確か何も持たずに出た僕にヒョンはコートを持ってきてくれたんだ。
「キソプヒョン。」
「ねぇ。寒くない?帰ろう?」
どうしてこの場所が分かったんだろう。
とか、スヒョ二ヒョンと喧嘩したから帰れないとか、自分のちっぽけなプライドが邪魔をしてたのとか、全部吹っ飛んでいた。
握られた手が、その温もりが心地よくて涙が止まらなかった。
そんな僕を見てキソプヒョンは言った。
「ジュン、僕は真っ白な雪だるまを見たことが無いんだ。」
「?」
「ここに降る雪は土と混ざって汚れてしまうからね。ジュンは僕とは違うよね。真っ白なままの雪だるまでいてくれるでしょ?」
「…どういう事ですか?」
「今はまだ分からないだろうけど、僕もスヒョニヒョンも、もちろん他のメンバーだって君を守りたいんだ。」
「僕は真っ白な雪だるま見てみたいよ。」
そう、そうだ。だからヒョンに雪だるまを見せてあげようと思ったんだ!
「ヒョン覚えて無いんですか?あの時の事」
「もちろん覚えてるよ。でもまさかそう捉えると思わなかったけど。」
「え?どういう事です?」
「ふふ。何でもないよ君はあの時のままだね。」
よく分からないけど上機嫌なキソプヒョンに僕も嬉しくなった。
そのあとは二人して雪だるまを作った。
時間も忘れて…。
「はっくしゅんっ!」
「くしゅんっ。」
お前たちバカだろ。
家に入るなり玄関で待ち構えていたスヒョニヒョンに怒られた。
「キソプヒョンが凝るからだよ‼」
「お前が真っ白な雪だるまを作るっていったんだろ!」
二人してスヒョニヒョンの前で正座させられた。
文句を言い合っていたらさらに怒ったヒョンに僕もキソプヒョンもなんだか面白くなって二人して目配せして笑ったんだ。
さらに怒られたけど。
「キソプ少しは進展したの?」
「…何が?」
僕はケビンが苦手だ。
「ジュンとだよ。ははぁーん。何も言えなかったんだ〜。」
こいつにはきっと全部バレてると思うんだ。
「いいんだよ。まだ、まだ…。」
「ふん。知らないよ?横からやって来たやつに取られちゃっても。」
じゃあね。
と自分の部屋に帰って行くケビンに何か知っているのか訪ねたくなる。
駄目だ。
ここで聞いたら負けな気がする。
はぁー、自分のため息が誰も居ない部屋に響く。
「そろそろ僕も限界かな。」
傷つけるかもしれない。
君にはまだ受け止められないかも…。
でももう限界なんだ。
君の笑顔を見るたびに
君の声を聞くたびに
胸が締め付けられて、どうしようもなくなる。
「ごめんね。ジュン、君が好きなんだ。」
秘めた想いは本人に届くことはなく、誰も居ない静かな部屋へと吸い込まれた。
アトガキ↓
読んでくださりありがとうございます!
今、彼らのお話を書くのはやめた方がいいかもしれないと思いましたが、6人を出せるのは最後かもしれない……と思い書きました。
どんな形になっても私は彼等を応援します!!
そして、ケビンも。
ファイティン!
最後にキソプがどうしてジュンの思ってる事が分かるのか……。
単純に、頭で考えてることを口に出しちゃってるのにジュンが気づいてないから(笑)
そんなアホの子が大好きです✨
ここまで読んでくださりありがとうございました!