無限ドル

□家族になりました!
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「って、ことで皆宜しく!」

はぁーーー!!?


朝から珍しく爽やかなリーダーの笑顔に、そして、彼の後ろにいる3つの存在にメンバーは声を張り上げた。




ビシビシッとソンギュが壁に張った紙を叩く。

「じゃあ、当番はこれで行くから」

「はーい。」

「はぁ、僕トイレ掃除……。」

「良いじゃん!僕なんて洗濯に食器洗いって酷くないですか!なんで2つも……」

ソンギュに睨まれソンジョンは黙る。

遊び係に決定したドンウとトイレ掃除のソンヨル、文句を言っているソンジョンこの三人は、子供が生活に割り込んでくる事を了承したメンバーだ。

最初は、ドンウ以外の皆が反対していた。

しかし、ソンギュが、子供達を連れてきた理由、

彼等の両親が事故で亡くなり、
引き取る身内もいず、唯一いる祖父は飲んだくれで、親権を放棄した。

子供達の両親と兄弟のように育ってきたソンギュは当然の様に自らが父親に成ることを決意した。

という話を聞き、涙ながらに上の三人は快く了承した。
が、


「どうして、ここで一緒に暮らす必要があるの?」

元々他人が自分の生活に関わることが許せないエルは反対派だった。

「子供たちにとっても、忙しい僕らや、側に居れないことになるかも知れない僕らといるより里親を探した方が幸せなんじゃないですか?」

ホヤもまた、反対派だった。
そして、

「えー!僕より可愛い生物がいるのはやだなー」

ウヒョンは、無視された。

「っえ?酷くない?ねぇ、ねぇ!」

「ホヤ、エル俺はこの子達の親になりたいんだ。そりゃ他の人のが幸せに出来るかも知れないけど……。」

と、ソンギュが子供達に目を向けるとそれまで静かにしていた三人がソンギュに飛び付く。

「嫌!ソンギュと暮らす!」

「ソンギュ〜、ソンギュもいなくなるの?」

「……。」

目に涙を溜めソンギュの服にしがみつくようにする三人にホヤは納得するしかなかった。

そして、エルは
ソンギュが社長と交わした約束により認めざるを得なくなる。








「それは、認められない。」


社長が放った第一声だった。


「なっ!どうして!」

「だって君宿舎暮らしでしょ?
子供はペットじゃないんだよ?」

「じゃあ、宿舎で子供達と暮らします!」


「メンバーは?反対する人がいたら?」

「認めさせて見せます!」

バンッと音をたて社長が座る机を叩くソンギュ。

常日頃、何事にも無頓着でやる気の無い彼が子供達の世話など出来る訳がないと反対を決め込むつもりだった社長は、ソンギュの気迫に驚いた。

「……子供とメンバーちゃんと両立させられるか?」

「当たり前です!」

ニヤッと笑うソンギュはもう、父親の顔だった。

「はぁ、しょうがないな。」

「じゃあさ、子供を君が育てることになったことは世間にも公表します。」

「はい。」

「そうすれば、何処で撮影があってもライブがあってもつれてけるでしょ?」

「あとは……」










「どうしても反対するメンバーが居たら俺は一人暮らしになる。」

ソンギュのその言葉にクッションに顔を埋め、ゴロゴロしていたエルも急いで体を起こす。

「えー!ヒョン一人暮らしなの?」

「あぁ、社長が金出してくれるって」

ソンギュの言葉には大きな破壊力が籠っていた。

普段から兄弟のように転がって遊んで、喧嘩したりしても何だかんだと互いにメンバー大好きなインフィニットは怨めしそうにエルを見た。

「……っあー!!もう、わかったよ!」

頭をかきむしりソンギュに飛び付くエル。

「……ってよ。」

「え?」

しがみつくエルが何と言ったのかわからず聞き返すソンギュ。

子供達とエルに引っ張られ服の裾はベロベロになっている。

「っ、だから!僕の事もちゃんと構ってくれるならいいよ!」

顔を赤くして、子供達に威嚇するエルの頭を叩く。

「ったく。可愛い弟だな。」

頭をわしゃわしゃと撫でれば
エルは嬉しそうにソンギュに引っ付いていた。




結局只、大好きな兄が、取られるのが嫌なだけのまだまだ可愛いミョンス君でしたー。

「えっ?ウヒョンいたの?」

「ねぇ、酷くない?」
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