∞短編集∞

□丸倉
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橙side


「なぁたっちょん?」


僕はスマホから目を上げ、同じソファの隣に座ってゲームをしている横顔に声をかけた。


7月。
なんや地球温暖化か何か知らんけど、雨は降らんしお天道様はピーカンやし、湿気はひどいしで散々やった梅雨がやっと明けて来たと思ったら、今度は土砂降り。

今日はやっとお互い学校のスケジュールに余裕が出来て、バイトの休みをお互い合わせた貴重なおデート日やって言うのに!

「んー?どしたんマル」


じんわりかいた汗でTシャツの袖がピッタリくっついたとこをポリポリ掻きながら、こっちも見んと返事をする大倉。


え、ちょっと寂しいやん。
僕は今日楽しみやったんに。
しかも一緒に居る時は名前で呼ぼうって約束したのに…


「そんな狩り楽しいんや」


スマホにまた目線を落としてぼそっと呟いた。暑さによる気だるさも手伝って、何となく嫌味な口調になる。

「なにそれ、」

大倉は、両手に握っていたゲームを閉じてテーブルに置いた。


あー、これまた喧嘩パターンのヤツやん。。
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