第1章・博麗の巫女と大国巫女
□紫・宇女、梅郷を語る。
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〜第三者視点〜
「小都...って誰だ?」
萃香は、宇女に尋ねる。
「私に仕えてくれた巫女よ。彼女も幻想郷へ来たことがあるの」
「ふーん。まぁいいや、続けてくれ」
萃香は、聞いておきながらあまり関心を持たなかった。
〜第三者視点終わり〜
〜宇女視点〜
小都は、私より五歳は年下だったけど、とても優しくて、笑顔の素敵な子だったわ。それに、何も分からなかった私に、巫女としての生き方を教えてくれたのも、彼女だった。
私が後継者になって二つほど季節が変わった頃、先代の大国さまが、お役目を終えた...。まだ三十路の半ばだったと思うわ。その頃には、私の霊力もだいぶさまになってきてたから、大国さまは安らかにお眠りになったわ。
そして私は晴れて大国巫女となった。
〜宇女視点終わり〜
〜第三者視点〜
「なるほどな...。先代の大国巫女って案外、短命だったんだな。てっきりもっと年老いた婆さんかと思ったぜ」
「大国巫女は、その宿命の大きさにもよるけど、大体は短命なのよ。まぁ、中には四十年も役目をしていた大国巫女もいたらしいけれど」
魔理沙の言葉に宇女も応える。
「じゃあ、私ちょっと休むわね。疲れてるから。あとの話は紫に任せたわ。霊夢、ちょっと隣の部屋借りてもいいかしら?」
「ええ。布団も自由に使っていいわよ」
「ありがとう、そうさせて貰うね」
宇女は疲れた体を休めに隣の部屋に向かった。
宇女がいなくなったのを確認した紫は、控えめにため息をした。
「確かに、ここからの事を語るには当事者からしたら気力がいるものね。話しましょう。あの子の『宿命』とやらを...」
〜第三者視点終わり〜