第1章・博麗の巫女と大国巫女
□宇女と梅の木
1ページ/6ページ
〜宇女目線〜
今朝は少し早起きをした。
まだ少し日の出には早い朝の博麗神社。
私は、昨日霊夢から聞いた梅の木を見に行こうと、まだ寝ている霊夢を起こさないように外に出て、梅の木の元へ向かった。
季節は秋。梅が咲くにはまだまだ遠い。
霊夢は、
「この梅の木は、先代巫女がたまたま食べてた梅干しの種を植えて出来たらしい」
と言っていた。
先代巫女は面白い人だったのだろう。そんな事を考えていると、梅の木にたどり着いた。
まだ枝木の梅の木は、どこか寂しげにも見えた。
(やっぱりまだ咲いてないわよね...)
私が手を木に当てると、不思議な事が起きた。
突然梅の花が舞ったのだ。そして、私は、自分が死んだ日のことを思い出した