第1章・博麗の巫女と大国巫女

□宇女、香霖堂へ行く。
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「香霖堂...?」

霊夢と一緒に境内の掃除をしていると、霊夢が「香霖堂へ行きましょう」と言ってきた。

「そう、森近霖之助っていう、魔法の森の入口に住んでる変人の営む店よ」

霊夢はさらっと暴言を吐く。

「でも、どうしてそんな変人のところに行くの?」

霊夢に変人を好むような趣味は無いはずだ。それに、魔法の森といえば魔理沙の家がある場所...。もしかして魔理沙の知り合いとか...?

「まぁ、そうね。魔理沙の実家と関わりがあったみたいで、魔理沙の年の離れた幼馴染みというべきかしら」

「もしかして声に出てた?控えていたつもりなのだけど」

私が苦笑いすると、霊夢はフッと微笑んだ。

「えぇ、ちゃんと聞こえてたわ」

「それで、そこに何をしに行くの?確かこの前の歓迎会に来てたわよね?だったら自己紹介も済んでるよね?」

「宇女、アンタの服を受け取りに行くのよ」

「へぇ...。はい?」

霊夢が当たり前だと言うように、言うもんだから、一瞬スルーしてしまった。

「服なら、ほら、今こうして着てるじゃない。替えのものもあるし、服なんて要らないわよ」

私は箒を持っていない左手で、霊夢に服を見せる。これは、大国巫女の衣装だけど、長年着てきたものだから、不便は無い。寧ろ、着慣れている服なので、新しい服は不要とも言える。

「郷に入らずんば郷に従え。よ。良いから行くわよ」

そう言って、霊夢は私の手を取って空を飛んだ。
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