第1章・博麗の巫女と大国巫女
□梅郷異変・前編
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感動(?)の再会から一夜明け、宇女の幻想郷入りを記念した歓迎会が、博麗神社で開かれた。
歓迎会には、霊夢や魔理沙、紫や萃香をはじめ、紅魔館組、地霊殿組、守矢神社組、永遠亭の面々やアリスや霖之助も集まった。
「さぁさぁ、主役の登場だぜ!」
魔理沙が一同に声をかけると、襖が開けられ、宇女が緊張気味に顔を出した。
「どうも...。ねぇ、魔理沙、やっぱり歓迎会なんていらないわよ...。私こんなに人に囲まれるの慣れてないし...」
「良いじゃない。どうせ、すぐに皆酒と食べ物しか気にしないんだから。どうしても無理なら途中で抜ければ良いのよ」
「言ってる本人も常習犯なのだから、大丈夫よ」
霊夢がそう助言すると、横から吸血鬼の幼女、レミリア・スカーレットが付け足した。
「え、えぇ...」
宇女は、やっと腰掛ける体制に入った。隣にはレミリアに仕える従者・十六夜咲夜が座っていた。
「はじめまして。十六夜咲夜と言います。お見知りおきを、異世界の巫女様?」
「貴女、人間かしら…?」
「えぇ。今はお嬢様の元で働かして頂いております」
宇女は、咲夜の事が少し気になりつつも、宴会の会場を見渡した。
(人多いなぁ...)
「あの...!私、東風谷早苗って言います!良かったら、どんな巫女だったのか教えて下さりませんか?私、まだまだ巫女として未熟なので、勉強の身なんです!」
早苗が突然声をかけて来たので、宇女は思わず後ずさりした。
「そうね...。私も聞きたいわ。貴女と霊夢達がどのように出会ったのか...」
レミリアもそれに便乗した。
宇女は、少し考えた後、話し始めた。
「えっと...。確かあれは、向こうの世界でちょうど戦乱が起こりかけていた時期だったわ」