ss

□ss小説集
1ページ/16ページ

風に吹かれて・スモーカー


風がざあっと吹き抜けていく。


それと共に宙に上がる砂にスモーカーは一瞬、目を瞑った


「懐かしい顔じゃ」


「!!」


声に驚き目を開ければ服の所々に泥を付けた懐かしい人が、男を背負って立っていた


「・・・ノブユキ長官?」


「懐かしい呼び名じゃ。


スモーカー、今回は色々と大変じゃったな」


ソレはノブユキの背負う男のことを言っているのか、それとも、あの変わった海賊のことを言っているのか


「どちらもじゃよ。


いやはや、お主も面白い男を見つけたモノよ。


“麦わらのルフィ”


なかなか面白い人種じゃな。


流石はガープの孫」


「は!?」


「む?知らなかったのか?


ルフィはガープ中将の孫でドラゴンの息子じゃぞ」


「・・・(呆)」


「白猟のかような姿、滅多に見れぬのぅ」


カラカラと笑ったノブユキに漸く意識を戻してハッとする


「・・・まさか、麦わらを見る為に此処まで来たんじゃねぇよな」


「はっはっはーー!!


その通り!」


「(何考えてんだこの人はーー!!??)」


自分やヒナを教えた海軍訓練士の長官の時代から本当に変わらない


本当に元帥なのかこの人


「今回はちぃっと気になる奴がいてのぅ。


序でに仕事もしたぞ」


「普通逆だ・・・」


まぁな、と再びカラカラと笑うノブユキは、本当に元帥に見えない。


・・・というか変わってない


「さて、そろそろ帰らねば。


部下が怒ってしまう


クロコダイルは任せるぞ」


そう言い残して、強い突風で巻き上がった砂と共に視界から消えたノブユキに、スモーカーは知らず軽く息を吐いた。


海軍の中でも問題児な自分をこんなにも疲れさせることが出来るのは今も昔もあの人だけだと内心で思った
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ