成り代わり部屋

□短編集
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巧王成り代わり




引き付けて戦った米兵は最早全て地に伏しており、俺もまた力尽きて倒れてしまった。


「彼奴等、無事に逃げただろうか」

生き残った部下は30。喪った部下は10


国はこの激戦地においてこれだけ生き残らせた俺を褒めるか怒るか。


国は全員の命で米兵の足止めを望んだ。だが、初めに命じられた特攻は踏み留まった。爆弾の火力はとてもじゃないが複数の人間を道連れには出来ない。


出来て1人か2人。ならばと罠を張り策を練りより多くの米兵を散らすように戦った


しかし、初めから全滅予定だ。食糧は足りない。途中米兵から奪い食い繋いだ。


このままでは皆が死ぬ


大切な部下だ


殺したくはなかった。俺は全員を命令で帰還するよう言った。逃げる間の時間稼ぎは俺がする。家族の元へ帰れと命じ、部下達は渋々従い逃げた


十二分に時間は稼ぎ、もう逃げれただろう。


もう良いだろうか


身体中痛いわダルいわ仕方ない。

先に逝った10人の部下達の元へ逝こう


ゆっくり瞼を閉じた先で悲鳴をあげる声が聞こえた気がした
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