君の知らない物語

□第二章〜01〜
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チェスが動き出した、と知ったのは数日掛けて遺跡からARMを回収した後。

急いで砦に戻った私達が見たのは、冷たくなった仲間達の姿だった。

思わず側に倒れている仲間の呼吸を確かめる。

しかし、既に体は冷え切っていて、呼吸が止まってから時間が経過している事が解る。


(、、、ど、うして、、、?)


止まりそうになる思考を叱咤して生存者を探す。

奥まった場所まで行くと呆然と立ち尽くすアズリアとニールが居た。


「アズリア!!ニール!!良かった、無事で、、、」

「お、ねぇ、、、ちゃん、、、あのね、お父さんが、、、」

「、、、っ!!」

「私を、私と、ニールをね、、、守ってくれたの、、、でも、ね、、、でも、、、」


そう言ってアズリアが見る先に居たのは、倒れた影。

見覚えのあるその姿に声が出ない。

ただひたすらに、衝撃が体を貫く。


「、、、チェスの兵隊が、来たんだって言ってた。チェスが、、、」


そう言って私にしがみつく二人を抱き締める。

震える二人を宥めるように私は笑う。

怒りで震えながら。


「、、、もう、大丈夫だよ。絶対に」


守りたい。そう願った人達を失ってしまう。

私はあまりにも無力で、あまりにも愚かなのだろう。それでも。


「もう、絶対に、、、奪わせないから、、、!!」


泣き出す二人を抱き締めながら、私は泣いた。





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