Persona〜The first strategy〜

□episode・02
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「お待ちしてます、ってのは爺さんとペルソナが使ってた秘密のメッセージでな。コレクターなんかを狙う時に、特定の宝を狙っている、協力して欲しい、ってのと同時に別のお宝もってけ、って意味なんだわ」

「つまり、当代のペルソナが協力要請して来たって事か?見返りは盗んだ宝で?」

次元が胡散臭そうな顔をして言う。

ルパンはただ楽しげに「そーいう事だ」と笑った。

「フラワークラウンを狙ってる、他は好きにして良いって意味。ぐふふふふふ」

「いや、待て。考えても見ろ。お宝の山分けは良いが、忍び込める算段がねぇんじゃ捕らぬ狸の皮算用にしかならねぇぜ」

つい先程、その問題に躓いていたばかりだ。

しかし、ルパンはニヤニヤと笑う。

「イーんだよ、ペルソナが居るんなら仕事は楽だ」

そう言って笑うルパンに次元が黙り込む。

納得は出来て居ないようだったが、まぁお手並み拝見と行こう、と腹を決めたらしい。

二人は翌日の仕事に備えて準備を始めるのだった。












―――翌日。案の定ヴァーリの屋敷は猫の子一匹入り込めないような厳重な警備だった。

当然の如くルパン達は屋敷の近くから見守るしか出来無い。

次元がふと気付いたようにルパンに問う。

「おい、合図とかあんのか?」

「いんや。毎回違ったしな。何かしら、、、お?」

反応があるはず、と言いかけたルパンの胸ポケットが揺れた。

携帯のバイブレーションに気付いて画面を見るが、其処には見知らぬ番号が。

タイミング的にはペルソナだろう。

しかし、ルパンは首を傾げた。

「んー?この番号は教えてねぇんだけどな、、、もしもーし」

『今。裏口から入れますから、どうぞ』

女性の声はそれだけ言うと通話を切った。

同時にメールが入って画像が添付されている。

裏口らしき場所からのルートだ。

「きたきた!行くぞ、次元!」

走り出すルパンの背中に「本当に行くのか」と小さく次元が言うが、ルパンは聞く耳を持たずに屋敷の裏に向かっていった。

指定されたルートを進もうとすると当然の如くセンサーがあるのだが、メールには『センサーは無効化済み』と記されて居たので気にせず進む。

ルパン達が通ってもセンサーは一切反応しなかった。

「すっげぇな、本当に反応しねぇぜ」

「したら困るだろ。にしてもテメーが手も足も出なかったセキュリティシステムが、、、ザルだな。警備員も居ねぇ」
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