Persona〜The first strategy〜

□episode・01
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「ちょっと政府から拝借して来たんだけどな?これの鍵が何処に入ってんのか解らなくってよ」

「嗚呼、ちょっと待って下さい。これの解析プログラムは組んであるので、、、はい」

凄まじい速度で何か操作をしていた神無がモバイルPCの画面を見せる。

其処にはpassらしき英数字とインデックス画面が出来上がっていた。

後は検索ワードを打ち込むだけで見たい情報が見られるらしい。

「もう、もうもう神無ちゃんってば仕事出来ちゃうんだからぁ!!超良い女!!愛してるぜーーー!!」

「そんなに褒めても何も出ませんよー」

「本心だって!いやもう本当に!!」

「ふふ、じゃあ此処奢って下さいます?」

「勿論だとも!!何だったらホテル代も俺負担しちゃうから一緒に、、、ぐげっ!?」

何か言いかけたルパンを次元が器用に殴った。

二人の間に座っていた神無はルパンが痛そうにテーブルに突っ伏してから次元がルパンを殴った事に気付いて彼を見る。

「ま、ちゃーんとお前の分も報酬取っとくから安心しとけ」

ぽふぽふと頭を撫でつつ言うと「はい」とはにかむように返される。

ルパン達が現在何を狙っているのかを彼女は知らない筈なのに、その瞳は総てを悟っているようにも見えた。

「しっかし、綺麗な格好してんなー、、、パーティー?」

ルパンが若干鼻の下を伸ばしつつ聞くと彼女は「えぇ、呼ばれたので」と笑う。

情報屋として活動している時の彼女にあまり突っ込んだ話は聞かない、と言うのが暗黙のルールだ。

しかし、これ程に着飾っている所であれば見たかった、と言うのも偽りなき本音で。

もしもルパンが彼女を呼び出さなければこの姿も見られなかったのだ。

じぃっと見つめてしまう二人に神無は苦笑しながら返した。

「仕事と言っても半分祝勝会だったのですけどね。身内ばかりの集まりですから、抜け出す口実が出来て嬉しいです」

身内ばかり、とは言うが完全に身内だけではない。

それなりに畏まった様子で飲んでも美味しくない、と彼女はやって来たカクテルを口腔内に流しながら笑う。

「ま、嫌になったらいつでーも俺のトコに来て構わねぇかんな?」

「飲みに行く位だったら仕事関係ねぇだろ」

言いながら二人は神無に再度酒を勧める。

ルパンは神無が良く飲むカクテルを、次元はいつも一緒に飲んでいるバーボンのストレートを、それぞれに差し出して「ん?」とお互いの差し出したグラスを見て何故か無言になった。
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