君の知らない物語

□第三章〜01〜
1ページ/2ページ



ウォーゲーム開始前。

ドロシーに呼び出された私はそれに応じた。

城の中ではなく、人気の無い場所を選んだ彼女。

魔女である事を考えても、恐らくARMの事について知っているのだろう。


「、、、で、ペルソナ。貴女のARMについて聞きたいんだけど」

「、、、これの事だよね?」


言いながら簪型のそれを示すとドロシーは静かに頷く。


「それ、何処で手に入れたの?」

「正確には私が手に入れた訳じゃないんだ。ナナシ達が手に入れて、けど誰も使いこなせなかったから、客分だった私が貰ったの」

「貰った!?そのARMをあの盗賊ギルドが無償で渡したっての!?」


驚くドロシーに苦笑しつつ軽く事情を説明する。

記憶を失っている事(もう殆ど戻っているけれど)とルベリアの子供達を助けた事、そして私がこのARMを使える、と言う事を。

ドロシーは静かに聞いていたが、話を聞き終えると直ぐに質問を投げる。


「記憶がないって事は、自分の生まれも解らないって事?」

「うん。情報収集はしてみたけど、自分の事もARMの事も解らなかったよ」


嘘ではないが、真実でもない。

けれど、異世界から来た事だけは話すつもりがなかった。

ドロシーは訝しげにしながらもARMを見て言う。


「そうでしょうね。そのARM、、、“カオス”はね、元々カルデアの失態が原因で創られた物なの。だから、一部の人間しか知らない」

「、、、カルデアの失態?」

「そう。現所有者で、今アンタが敵でないから話すけど、、、これから話す事は内密にね」


真剣な表情で言われて頷く。

ドロシーはそれを確認してから話し出した。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ