君の知らない物語
□第三章〜01〜
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ウォーゲーム開始前。
ドロシーに呼び出された私はそれに応じた。
城の中ではなく、人気の無い場所を選んだ彼女。
魔女である事を考えても、恐らくARMの事について知っているのだろう。
「、、、で、ペルソナ。貴女のARMについて聞きたいんだけど」
「、、、これの事だよね?」
言いながら簪型のそれを示すとドロシーは静かに頷く。
「それ、何処で手に入れたの?」
「正確には私が手に入れた訳じゃないんだ。ナナシ達が手に入れて、けど誰も使いこなせなかったから、客分だった私が貰ったの」
「貰った!?そのARMをあの盗賊ギルドが無償で渡したっての!?」
驚くドロシーに苦笑しつつ軽く事情を説明する。
記憶を失っている事(もう殆ど戻っているけれど)とルベリアの子供達を助けた事、そして私がこのARMを使える、と言う事を。
ドロシーは静かに聞いていたが、話を聞き終えると直ぐに質問を投げる。
「記憶がないって事は、自分の生まれも解らないって事?」
「うん。情報収集はしてみたけど、自分の事もARMの事も解らなかったよ」
嘘ではないが、真実でもない。
けれど、異世界から来た事だけは話すつもりがなかった。
ドロシーは訝しげにしながらもARMを見て言う。
「そうでしょうね。そのARM、、、“カオス”はね、元々カルデアの失態が原因で創られた物なの。だから、一部の人間しか知らない」
「、、、カルデアの失態?」
「そう。現所有者で、今アンタが敵でないから話すけど、、、これから話す事は内密にね」
真剣な表情で言われて頷く。
ドロシーはそれを確認してから話し出した。