君の知らない物語
□第一章〜04〜
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【ペルソナside】
短いスカート。
布の面積が異様に少ない服。
グイグイ裾を引っ張ってみるが、全くもって肌は隠れてくれない。
(うぅ〜、、、どうしてこんな服なんだろう、、、)
今直ぐに着替えてしまいたいが、ナナシの言葉が脳裏に残ってしまってなぁなぁのまま私は酒を呷る。
と言ってもそう飲める方でも無いので少しづつだが。
ゆっくりと宴を見渡してみると其処には穏やかな雰囲気があって、何となく落ち着く。
嗚呼、こう言う雰囲気はあまり経験した事がないなぁ、と考えていたらナナシが私を見ている事に気付いた。
「どうしたの?」
「ん?いや、、、うん、似合うとるよ」
柔らかな笑顔で言われたそれに直感的に服の事ではないと感じた。
ナナシはチラリと周囲を見渡して私をもう一度見ると優しい眼差しで微笑む。
その仕草だけで、何故かこの場に相応しい、と言われたような気がして。
「、、、ありがとう、ナナシ」
心から述べた感謝にナナシはただ静かに微笑んで返す。
これから、この世界で―――この場所で生きていく。
それはとても素敵な事に思えた。
【To be continued】