Persona〜The first strategy〜

□episode・17
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―――時計の針が深夜へ移行して行く。

五エ門は神無に付き合って様々な種類を飲んだ所為か一番早く酔いが回ってダウンしている。

次元は先程ルパンとポーカーをして負けたので煙草を買いに出ていた。

すっかり移動した月を見て、そろそろお開きか、とルパンが時計を見上げると五エ門に毛布を掛けて居た神無がルパンを見る。


「ルパン、そろそろ私は戻ります。一応、この宿に一番近いホテルを取ってあるので何かあれば連絡下さいね」

「ん?もうそんな時間かー、、、いっそ泊まってっちゃう?」


ルパンがニヤリと誘うと神無はニコリと返す。


「それも良いですけど、今日はまだやりたい事が残っているので」

「そう?んじゃ、無理強いは出来ねぇな。送って行こうか」

「タクシーですから大丈夫ですよ。それでは、また」

「おぅ。、、、あ、ちょっと待った」


立ち上がって部屋を出ようとする神無を呼び止めた。

一度見送る姿勢だった所為で彼女は扉の向こうに出て居たが、声を掛けると足を止める。

「はい?」と振り返った彼女は詰められた距離に瞳を瞬かせた。


「今日は神無ちゃんのおかげで楽な仕事だった。ありがとな」

「いえ、私こそ、、、とても楽しかったので」


そう言って笑う彼女を「いいな」と思う。

嫋やかな印象だが、芯は強いのだろう。

見返す瞳は戸惑いを飲み込んで、ただ強い。


「、、、次。俺が獲物を決めても良いか?」

「えぇ、構いませんよ」

「んじゃ、早速」


え、と声が上がるのと同時に彼女の柔らかそうな頬にキスを―――しようとした瞬間に真横から何かが凄まじい勢いで飛んで来て、ルパンの頬に直撃する。



「―――ぶほっ!?」


「ルパン!?え、ちょっ、、、!?」


突然吹き飛んだルパンに慌てて駆け寄ろうとした神無を制したのは低い声。


「何してんだテメーは」

「あ、次元、、、おかえりなさい」

「おぅ。お前はホテルに戻るトコか」


はい、と神無が頷くのと同時に起き上がったルパンが次元を睨む。

しかし、神無がルパンを見ると笑ってみせた。


「気ィ付けて帰んな?」

「はい!では、また」

「おぅ。次どっか目星付けたら連絡な」


了解です!と微笑んでから背を向けて歩き出す神無を次元とルパンの二人で見送る。
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