Persona〜The first strategy〜
□episode・12
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―――時は遡る。
数週間前の事。
ルパン三世がイギリスに居る、と言う情報を入手してやって来たICPOの銭形は新聞を見て首を傾げた。
見出しには『怪盗、ペルソナが狙う秘宝!』と記されている。
その名前に聞き覚えがあった事もあり、地元警察に情報協力を求める事にした。
「嗚呼、ペルソナっちゅーのは悪党共が裏で取引してるブツを狙う怪盗ですよ」
「ほぅ?鼠小僧みたいな奴って事か」
「鼠、、、良く解らんが、市民にとっては娯楽みてぇなモンですねぇ。まぁ昔っから活躍してるっちゅー話も聞くからなぁ」
「昔、、、嗚呼、それで聞き覚えがあるのか」
思い出したのはICPOで話に聞いた怪盗の事である。
機械に精通しており、どんなセキュリティーも突破すると言う。
ルパン同様、盗賊家業を生業にしているらしく、代替わりの噂も聞いていたが、かなり前から噂を聞かなくなっていた。
「ルパン三世ってのもアレでしょう、同業者なら横の繋がりもありましょうて。まぁ、怪盗っちゅーても泥棒には変わりねぇですからねぇ。我々は捕まえる側ですなぁ」
何処か残念そうに言う地元警察の面々に首を傾げながらも過去の事件等も聞く。
本当に義賊のような仕事をしている“ペルソナ”と言う怪盗に少しだけ興味が沸いていた。(と言ってもやっている事は泥棒なのだが)
暫く調査をして、一応ペルソナが予告状を出したと言う屋敷にも顔を出したが、どうも屋敷の主はキナ臭い仕事をしているらしくアポイントメントすら断られてしまった。
手出し出来無い状態のまま迎えた予告当日。
見事ペルソナは予告していた品物を盗み出してしまったらしく、銭形は放心状態の屋敷の主に呼び出された。
先日は実に傲慢な態度で「我が屋敷のセキュリティーは磐石です。ICPOの警備など不要!!」と宣言していた家主は焦りの見える表情で銭形を出迎えた。
「ICPOの銭形です。被害に遭われた、と言う事ですが」
被害届けを、と言う前に男が此方を睨むように見る。
何だ、と首を傾げる前に男はボソボソと歯切れ悪く言う。
「銭形君、か、、、申し訳ないが、今暫く、、、この屋敷の警備をしてくれないか、、、」
「はい?しかし、既に盗まれてしまったのでは、、、?」
追跡ではなく警備を頼まれて驚くが、それ以上に何かを警戒しているらしい男に戸惑う。
一体何を警戒する必要があると言うのか。
話を聞く必要がある、と判断して声を掛けようとしたのと勢い良く部屋の扉が開け放たれたのは同時だった。
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