Persona〜The first strategy〜
□episode・10
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ルパンと次元が軽く(?)飲んでいると不意に神無が姿を消していた。
どうしたのか、と周囲を見渡すとソフトドリンクらしきグラスを手に彼女が戻って来る。
「ん?ドリンクか?どったの?」
飲まないのか、と目顔で問うと彼女は少しだけ笑って応える。
苦笑とまでは行かないが、困ったような笑顔である。
「仕事の直前は飲まないルールなんです」
先程軽いシャンパンを口にした程度なのだが、そう言って彼女は二人の間に挟まるように座るとノンアルコールのグラスを傾ける。
ふと彼女から覚えのある香りがした。
(、、、んん?この香水、、、どっかで、、、)
はて、と首を傾げるルパンに神無が気付く。
どうかしたのか、と目顔で問う彼女に答えようとして彼女から香るそれと同じ物を身に纏う相手が浮かんだ。不二子だ。
どう言う事か、と考えてルパンの動きが止まると次元が神無に声を掛けた。
「弱くはねぇだろ?」
「そうですけど、初仕事でもありますから」
素面で居たい、と言外に告げて微笑む彼女はとても穏やかな表情だった。
とてもこれから仕事をするとは思えない程に落ち着き払っているように見えて、次元が少し笑う。
「この業界じゃ、拘りってのも重要だな」
「そうかもしれませんね。次元にもあるんですか?」
「俺の場合、、、そうだな、相手は選ぶな」
そう言ってチラリと次元が神無を見やると彼女は笑顔で「光栄です」と応える。
言葉も仕草も自信たっぷりに余裕ありげに見えるのに、瞳は嬉しそうにとろけて見えて、次元もルパンも無意識に彼女から視線を逸らすのだった。
「、、、嗚呼、そろそろ御呼ばれする頃合かもしれませんね」
神無はさりげなく周囲を確認しながらそう言うと、目を閉じて天井を見上げる。
それは一つの合図だった。
それを見てルパンと次元がチラリとホールの奥を見てから目を閉じる。
次の瞬間に響いたのはパーティー会場には不似合いなどよめきだった。
―――同時刻、五エ門。
「、、、む?」
用心棒としてパーティー会場の外を警備していた五エ門が会場内のどよめきに気付いて視線を向けると会場内の灯りが消えていた。
最初は何かの余興かと思ったが、警備の者に配られているインカム越しに怒声が響いた。
(、、、ルパンか?)
中で何かあったのかもしれない、と思うのと同時に五エ門はパーティー会場の中の様子を伺うのだった。
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