Persona〜The first strategy〜
□episode・07
1ページ/1ページ
―――ホールに入った三人は脳内で地図を確認しながら“予定の時間”までパーティーを楽しむ招待客を演じていた。
取り敢えず三人一緒に酒や軽食を摘んだり、音楽に耳を傾けたりと、それらしい時間を過ごして居たのだが、ルパンと次元がアルコールのコーナーに引き寄せられてしまい、あまり飲むつもりの無かった神無がふらりとソフトドリンクのコーナーに向かった時だった。
不意に「お嬢さん」と呼び掛けられる。
「その、肩に何か付いてますぞ」
「はい?あぁ、気付きませんでした。ありがとうございます」
落ち着いた声で言われて振り向くと其処には日本人らしきスーツの男性が居た。
パーティー用のスーツではなく、どちらかと言うと地味なそれに神無は心中で首を傾げる。
(、、、パーティー参加者じゃなさそう。でも、堂々としてるからガードマンか、それとも、、、警察関係者かな?)
考えていると男性は紳士的な仕草で帽子を外すと不器用に微笑む。
「失礼、目に付いたもんで、つい」
「いえ、助かりました。連れは今離れていましたので」
にこやかに返しながら肩に付いていたイヤリング型の機械を付け直す。
男性はにこやかに「どういたしまして」と笑って仕事に戻ると人混みに消える。
周囲を見渡しながら仕事に戻っていく男の姿を見て神無は何となく仕事の出来そうな人だな、と思う。
敵に回したくはないなぁ、と心の中で呟いて、静かにソフトドリンクのコーナーに向かうのだった。
・
・
・
→
次の章へ
←
前の章へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ