Persona〜The first strategy〜

□episode・01
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「あー、こりゃ、ちっと荷が重いなぁ」

「何がだ」

仕事の真っ最中。

ルパンが零した言葉に次元が反応する。

ルパンは「いやな?」と操作していた機械から視線を外し、軽く振り返ってから答えた。

「このデータ量の中から情報抜くのは俺様でもちーっと厳しい。神無呼んだ方が早いぜ」

「、、、彼奴、まだ隠居してねぇだろ」

神無はルパン達の仲間だ。

だが、同時に裏社会の情報屋の首領でもある。

基本的には部下達の生活等も考えて情報屋の仕事を優先させているので、ルパン達の仲間として活動しているのは情報屋の仕事を休んでいる時、、、つまり、隠居(と本人が言っていた)をしている時のみだ。

短期間とは言え、彼女がメンバーに入ってくれればそのハッキング能力と豊富な情報量から仕事は進み易い。

それに何より、神無は良い仲間であり、良い女でもあった。

「だーいじょうぶだって、ちゃーんと仕事として申し込むからよ。情報屋のヴァレンティーノに仕事を申し込むなら問題ねぇだろ?」

「そりゃ屁理屈だろ」

そう言って渋面になる次元だったが、ルパンが携帯電話を取り出して神無に連絡を取ろうとしても留める様子はない。

数コール後に「ルパン?」と綺麗な響きの声がした。


















ーーー仕事の最中だった神無は取り敢えず黒のコートで目立たないようにしながら指定された酒場を目指す。

店に入ると少し奥まった場所にあるカウンターに座っている後ろ姿が見えた。

「待たせましたか?」

「神無ちゃんか。悪いな呼び出して、、、って、あらあら?」

「おー、、、お前仕事中だったのか?すげぇ格好してんな」

声を掛けて振り返った二人は神無の姿を見て目を瞬かせる。

それもそうだろう。パーティー用の豪奢なドレスの上に黒いコートを羽織っただけの姿だ。

その視線を受け流しつつ神無は二人の間に空いていた席に座ると軽くオーダーを通して苦笑した。

「仕事中ですよ、、、解ってる癖に」

「わりーわりー!いやー、此奴がどーも解けなくってなぁ」

言いながらルパンが差し出したのは小さな機械だ。

一見して何に使うのか解らないそれを彼女は一瞥して、コートからモバイルPCを取り出すと「これ、何処で?」とだけ言った。

それが何なのかは既に解っているらしく、良く解らないコードを引っ張ってモバイルPCと繋げると何か操作をし始めた。
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