蒼穹を仰ぎて
□黒衣の男達
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【黒衣の訪問者】
神無達が着替えや細々した荷物を買って銀時達が待っているロータリーまで出ると待ちくたびれた、と言いたげな銀時達が待っていた。
「おい、お前らどんだけ時間掛けてんだよ。これだから女の買い物に付き合うの嫌なんだよ、俺ぁ、、、つか、おい。何で隠れんだ。オジョーサマー」
「え、あの、つい、、、」
銀時達が此方に気付くのと同時に神無はお妙の後ろに隠れてしまっていた。
それと言うのも足元がスースーして心許無いからだ。
先程まで着ていた着物は殆ど肌が見えない物だったので(汚れたり焼けて丈が短くなっては居たが)余計に心許無く感じてしまう。
「どしたアル?銀ちゃんのセクハラ視線に備えてるか?」
神楽が若干訛った言葉で言うと銀時が憤慨しそうになったが、怯えている風に見える神無を前に「やれやれ」と肩を竦める。
「ほれ、ちょっと見せてみ?大丈夫だって、元が良いんだから何着たってよ」
「そうよ、神無ちゃん。とっても似合ってるわ」
「そ、その、でも、、、うぅ、、、」
銀時とお妙に優しく言われて顔を真っ赤に染めながらも観念した様子でお妙の背中から出る。
短い丈は気になったが、着物自体はとても綺麗だと思った。
牡丹の柄に綺麗な赤の襟。
派手な色にも思えるが、落ち着いた色合いの物が合わせてあって、けっして派手過ぎない。
帯だけは可愛らしい物だが、全体的に見ると決して子供っぽくはない組み合わせだった。
それでも、それが普通か?と問われると返答に困った。
普通の娘の筈なのに、普通の基準が良く解らない。
漠然とした違和感を覚えながらも前に出る。