Persona〜The first strategy〜

□episode・21
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神無の元に不二子から連絡があったのは朝起きて直ぐの事。

折角の隠居生活中なのでその時間を楽しもう、と出掛ける支度を済ませて予定を計画していたら携帯が鳴った。

画面を見てみれば不二子からだったので直ぐに通話ボタンを押す。


「もしもし?」

『もしもし?神無?いきなりで悪いんだけど、今日って暇?』

「はい。時間はありますよ。何か御用事ですか?」

『そう。良かった。じゃああたしと一緒に―――』



―――ショッピングに行かない?



そう言われて二つ返事で頷いて神無は部屋を出た。

と言っても同じホテルなので不二子の部屋は直ぐだ。

支度を待った方が良いか、と聞いたら不二子の方も既に支度は済んでいたそうで直ぐに出よう、と言われて部屋に向かう。

不二子の部屋をノックする直前、鞄に入れていた携帯が振動している事に気付いて出ようとしたら、それよりも先に扉が開いた。


「待ってたわよー。行きましょうか?」


中から出て来た不二子に笑顔で言われて神無は取り出しかけていた携帯から手を離すのだった。

それから不二子の行きたかった店をへ向かう。

お互いに服を見ながら、時折ショッピング以外の話もする。

洋服を選びながら簡単にルパン達と一緒に居る事情を説明した神無に不二子は楽しげに笑った。


「そうだったの。じゃあ今度からあたしも贔屓にしちゃおうかしら」

「是非どうぞ。あ、あのワンピース不二子さんに似合いません?」

「あら、良いわね。じゃあちょっと試着してみようかしら?」


試着室に入っていった不二子を見送ってワンピースに合いそうな小物も見ていると店員が「御姉妹でしょうか?」と微笑ましげに問う。

とんでもない、と答えながらも頬が緩むのを感じていた。


「神無ー、どう?似合う?」

「すっごい似合います!!わぁ、お肌キレイ〜、、、あ、このブローチ襟元にどうです?」

「それも良いわねぇ、、、んー、でもこのイヤリングに合わせたいのよね」


そう言って不二子が耳元を撫でる。

其処には神無が贈った赤と青のイヤリングが揺れていた。

神無の耳元にも全く同じ物が飾られていて、二人は姉妹か、とても仲のよい友人のように見える。
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