Persona〜The first strategy〜

□episode・12
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「御主人様!!た、大変です!!ヴァレンティーノから手紙が、、、!!」

「くっ、、、誤魔化されんか、、、!!手紙を寄越せ!!」


銭形が話に付いて行けずに居ると屋敷の主は手紙を読んで一気に顔色が紙のように白くなって行く。


「ヴァレンティーノは、なんと、、、?」

「、、、銭形君も、読んでくれ。そうすれば、私の話も解るだろう」


どう言う事だ、と首を傾げながら手紙を受け取る。

丁寧な文字で書かれたそれには短い文章があった。


【ヴァーリ殿
  フラワークラウンは親愛なるペルソナの手によって我らが主の元へ返還された。
  裏切り者は裏切られるのが世の常。
  我らが主より、貴殿への恩赦は無いだろう】

文面だけでは何の事か解らないが、前もって知っていた知識と合わせてみれば何の事はない。

恐らくこの男はフラワークラウンを盗んだのだろう。

そして裏の物を扱う怪盗であるペルソナがそれを盗り返し持ち主に返還した。

けれど盗まれた当人である、この手紙を出した人物の主はこの男を許すつもりがないのだろう。

直接手を下す、と言うような内容ではないにも関わらず不穏な雰囲気の伝わる手紙である。


「盗んだ物、と言う事でよろしいんですな?」

「、、、あぁ。相手が悪かった。このままでは、、、」


と、男が何か言いかけるが何か口にする前に外が騒がしくなる。

何事か、と思っていると更に部屋に人がやって来た。

一人二人ではない。


「ご、御主人様、、、各社から契約終了の連絡が、、、!!」

「大変です、各支店で優秀な社員がヘッドハントされています、、、!!」

「銀行から融資終了の連絡が、、、!!」

「け、警察から“あの件”に付いてお話を、と、、、!!」


詳細は解らないが、何となく察する。

現在報復真っ只中なのだろう、と。


「、、、それで、私に何を?」

「ヴァレンティーノは、私を許さないだろう。このままでは、、、」


ガタガタと震えながら言う男。

かと言って出来る事と言えば男に手錠を掛けて警察署に連行する程度だけなのだが。

まぁそれでも命の危機に怯えるよりは良いだろう、と銭形は男を連れて行く事にするのだった。

そうしてやって来た警察署で聞いたのは“ヴァレンティーノ”と言う情報屋の話だった。

何でも政府ともマフィアとも繋がりのある組織であるらしく、世界でも有数の情報屋らしい。

各国に散らばる情報源とどんなセキュリティーシステムも突破するハッキング能力。

そして、有事に対抗出来るだけの戦闘力を備えた組織、らしい。

らしい、と言うのは一般の警察官には接触すら出来無い組織らしく、噂だけが流れているのだと言う。


(、、、ヴァレンティーノ、か)


何となく気になる予感めいた物を感じながら、銭形は捜査に戻るのだった。




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