Persona〜The first strategy〜
□episode・03
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自分もそう言う系統だからこそ解るが、そう言う女は割と稀少だ。
楚々とした魅力がある女、派手なドレスが似合う女、勝気な女、、、一般で言う美女にも種類はあるが、相手に其処まで思わせる程の魅力はそうない。
(、、、けど、あたしは会った事ないのよね)
心から賞賛出来る同性に出会った事は一度としてない。
楚々とした魅力の女は豪奢な雰囲気に弱く、派手なドレスの似合う女は昼夜で印象が変わり、勝気な女には傲慢と言う枕言葉が付くのだ。
「会ったの、一度だけ?」
「いや、二回程」
「印象、変わった?一回目と二回目で」
「、、、大分変わったな。だが、どちらも拙者には手が届かないように思えた」
「ふふ、、、益々見てみたくなったわ」
ヴァレンティーノの女か、と唇だけで呟く。
たった二度会っただけで此処まで他人を虜にする女が居る。
それだけで興味を抱くには充分だった。
(、、、どんな子かしらね?)
思わず考え込んだ不二子に五エ門も思い返すように視線を宙に投げる。
それは数週間前の事。
有名な鍛冶師の一品がイギリスにある、と聞いて情報を集めていたのだが難航していた。
餅は餅屋、の言葉を思い返して情報屋へ向かったのだ。
有名らしい情報屋との事でそれなりの心構えを持って向かってみれば、出迎えたのは若い女性だった。
待ち合わせに指定されたのがそれなりの酒場でなければ罠だとすら思っただろう。
「、、、失礼、情報屋の?」
「嗚呼、貴方ですか」
声を掛けてにこやかに振り返ったのはワインレッドの髪に同色の瞳の女性。
コルセットタイプのワンピースを着た、妖艶な美女だった。
(、、、罠、か?)
あまりにも美し過ぎて声が出ない。
咄嗟に頷くと彼女は何処か毒を含んだ笑顔で着席を促す。
、、、彼女の隣に、と。
何となく気が咎めて一席分間を空けて座ると彼女はチラリと此方を見ながら手にしていたグラスを煽った。
「忙しいので手短に、、、欲しいのはこれですか?」
差し出された写真に目を剥く。
既に刀剣の情報、と指定していたとは言え、どの刀か、と指定はしていない。
けれど、写真に写っているのは確かに探していた物で。
「、、、あぁ、これだ」
「そうですか。欲しいのは本体の情報ですか?それとも、所在地の情報ですか?」
「現所有者の情報と、所在地の警備の内容を出来るだけ集めて欲しい」
即答すると「それはまた剛毅な」と彼女が笑う。
その笑顔は何処か空々しくも見えた。
まぁ盗みに入る前提の情報収集である事は解るのだろう。
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