Persona〜The first strategy〜
□episode・02
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「ちょ、だーれが手も足も出なかったって?ちょこーっと時間が掛かるってだけだっつーの!」
ルパンが憤慨しながら反論するが次元も次元で聞く耳を持っていないらしく「へーへー」と軽く流された。
言い合いつつも素早く進む。
すると程なくして美術品の並んだ部屋に出た。
素早くお宝を回収しながら周囲を確認するが、誰もいない。
待ち合わせをしているはずのペルソナとも会わないので仕方なくフラワークラウンを回収しながら部屋を抜ける。
ルートの通りに進むと部屋の管理をしているらしき部屋に出たが、誰も居ない。
「こんだけ音沙汰ねぇと流石におっかねぇな」
「お、監視カメラ発見!おーい、ひっさしぶりだな、ペルソナ」
ペルソナはハッキングや鍵破りを得意としていた。
恐らく今回もそれを駆使してセキュリティシステムを乗っとったのだろう。
見ているだろう事を予想して声を掛けたのだが、答えたのは“ルパンの知っている”ペルソナではなかった。
「私は、初めましてだと思っていましたが」
「、、、は?あり、誰だお前?」
ルートの通りに進んでいた筈だった。
唐突に現れた気配に振り返れば、ワインレッドの髪に同色の瞳の女が居た。
しかし、ルパンの知っているペルソナではない。
彼は男だった。
しかし、今答えたのはどう見ても女。
外見年齢だけなら二十代前半位だろうか。
彼女は「ペルソナですよ?」と首を傾げる。
一瞬不思議そうにしてから「嗚呼、父ではないですけど」と付け加えた。
どうやら代替わりしていたらしい。
「へぇ、娘か?」
「えぇ、一人娘なので必然的に、、、こんばんは、ルパン三世。次元大介」
にこやかに言う彼女はカチカチとインカムを叩きながら笑う。
総てを悟っているかのような声音に次元が警戒するように帽子を被り直した。
「俺の事も知ってんのか」
「勿論ですとも。これでもヴァレンティーノのボスです」
「ヴァレンティーノ?あの情報屋のか?」
「えぇ。あ、すみません、そろそろシステム戻りそうなので早めに脱出しましょう。フラワークラウンは、、、」
「回収してある。他もバッチリ★」
ルパンがウインクしながら言うと彼女は「安心しました」と走り出した。
その後を追う二人。
結局、何の障害も無いままに屋敷を抜け出して来てしまった。
まだ騒ぎにはなっていないようだったが、彼女は「急ぎましょう」と愛車らしいMINI COOPER(ミニクーパー)に乗る。
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